2011 Fiscal Year Annual Research Report
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21590506
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
星野 忠次 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (90257220)
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Keywords | 変異体ウイルス / 薬剤耐性 / シミュレーション / 分子動力学計算 / プロテアーゼ阻害剤 / 有機合成 / 薬物設計 / 合成経路 |
Research Abstract |
抗HIV薬は、国内でも既に20を越える薬剤が認可されている。ところがウイルスがアミノ酸変異を持つことで、ウイルスが薬剤耐性を獲得し、薬剤が効かなくなることが深刻な問題となっている。薬剤耐性を生じるアミノ酸変異は、一種類ではなく、D30N,L90M,G48Vなど幾つかの深刻な変異が知られている。本研究では、野生株のHIVではなく、薬剤耐性を持つ変異ウイルスに最大の薬効を持つ薬物を創出する。将来的には、それぞれの変異ウイルスに薬効を持つ複数の薬剤群を揃えて、患者のウイルス型に合わせて、最適な薬剤を選択できるようにすることが目標である。このように薬剤のレパートリーを揃えることにより、HIVをコントロールし、HIV患者が生涯に亘り、エイズ発症を抑制できる。本研究では、184VならびにV82A変異体に対し強い薬効を示すプロテアーゼ阻害剤を創出する。具体的には、(A)阻害剤を計算機で設計し、(B)設計薬剤を合成し、(C)in vitroで薬効を評価確認する。研究期間内では、設計、合成、評価を繰り返し、変異体ウィルスを標的とした薬剤創出を達成することを目指す。 184VならびにV82A変異体に対し、前年度までに計算機を使用して有望と思われる化合物構造を見出した。平成23年度は、化合物の有機合成を中心に行った。数種の阻害剤候補薬物については合成が完了し、合成化合物の活性評価を実施した。最も有望と思われる薬物については、合成が完了せず、中間体の阻害活性評価に留まっている。今後、合成を完了させることと、その活性評価を受けて、さらに阻害剤の計算機設計を進め、活性評価の結果を受けて、必要に応じて改良を加える。従って引き続き、計算機シミュレーション、結合評価と繰り返し、設計薬剤の最適化を進める。
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[Journal Article] Structural Modulation Study of Inhibitory Compounds for RNase H Activity of HIV-1 Reverse Transcriptase2012
Author(s)
H.Yanagita, S.Fudo, E.Urano, R.Ichikawa, M.Ogata, M.Yokota, T.Murakami, H.Wu, J.Chiba, J.Komano, T.Hoshino
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Journal Title
Chemical and Pharmaceutical Bulletin
Volume: 60(in press)
Peer Reviewed
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