2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590508
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
森石 恆司 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (90260273)
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Keywords | ウイルス感染 / C型肝炎ウイルス / フラピウイルス / ブロテアソーム |
Research Abstract |
本年度の研究目的は、C型肝炎ウイルス感染とユビキチン非依存プロテアソーム活性との関連性を明らかにし、蛋白質分解機構を標的にした新規予防治療法開発の基盤確立を目指すことである。C型肝炎ウイルスコア蛋白質に結合する宿主蛋白質して、プロテアソーム活性化因子を以前に同定している。その生理機能は明確になっていない。既報で報告があるこのプロテアソーム活性化因子PA28γに依存してユビキチン非依存プロテアソームで分解される内在性基質はp21、p53やSRC-3などが知られているが、少なくともHCV感染に感受性である肝臓細胞では、PA28γのノックダウンによって変化は認められなかった。プロテアソーム活性化因子PA28γのノックダウン細胞にC型肝炎ウイルスを感染させたとき、培養上清中のウイルス量は1/10以下に減少し、その減少はプロテアソーム活性化因子の発現回復によって、ウイルス量も回復した。プロテアソーム活性化に関与するPA28γ内のアミノ酸残基に変異を入れた変異体の強制発現によって、ノックダウンによって減少したウイルス量は回復しないことから、プロテアソーム活性化能によってウイルス産生が維持されているものと思われた。フラビウイルス科に属する日本脳炎ウイルスのウイルス増殖は抑制されないことから、C型肝炎ウイルス特異的現象と思われる。今後、他、RNAウイルスで検討を行い、ウイルス増殖および宿主細胞への影響を解析する計画である。
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