2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590509
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安居 輝人 Osaka University, 微生物病研究所, 准教授 (60283074)
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Keywords | Epstein-Barrウイルス / B細胞 / Latent membrane protein / 潜伏感染 / 細胞形質転換 / リンパ腫 / 自己免疫疾患 / モノクローナル抗体 |
Research Abstract |
EBウイルスによるB細胞形質転換機構とそれに関わる宿主分子の生理的意義に関する研究を新たな方向性で発展させる。特に、EBV感染システムを用いた感染動態を可視化することによって、EBV関連リンパ球増殖疾患の病態発現機構を個体レベルと分子レベルの両面から網羅的に解明を目指す。EBウイルスの病態発現機構を明らかにするために、EBウイルスエントリーに関与する宿主因子の同定を試みた。マウズにEBV感染に高感受性のヒトバーキットリンパ腫細胞株Daudi細胞抗体パネルを作成し、GFP遺伝子を発現するEBV (GFPEBV)とDaudi細胞を用いた感染実験における抗体パネル由来の抗体による感染抑制効果を検討することによって、新たなEBV感染阻害抗体を探索した。現時点で約1700クローンの抗体パネルから約10種類を単離し、現在さらに解析中である。さらに我々が得たEBウイルスのB細胞への感染システムを応用して上皮細胞での感染システムを構築した。上皮細胞への感染システムはGenome-wide RNAi screening及び抗体パネルの双方を適用して、感染に関与する宿主因子を探索中である。B細胞及び上皮細胞感染システムより同定された宿主因子を比較解析することにより、細胞種を超えた共通の感染メカニズムを焦点に感染阻害剤及び関連疾患治療戦略の開発が可能であると考えられる。一方、EBウイルスの病態発現に必須のウイルス遺伝子であるLMP1の宿主因子相互作用を検討した結果、BS69の機能が重要であることが明らかとなった。また、既に同定されているLMP1シグナル下流に存在すると考えられているRanbp9やp73について、B細胞における正常、異常シグナルを比較解析するためにB細胞特異的ノックアウトを作製した。現在B細胞におけるそれら遺伝子の役割について検討中である。
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Research Products
(4 results)