2009 Fiscal Year Annual Research Report
アクセサリー蛋白質による(-)鎖RNAウイルスのゲノム複製制御
Project/Area Number |
21590510
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂口 剛正 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70196070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 崇 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70419498)
清谷 克寛 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (00106824)
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Keywords | ウイルス / パラミクソウイルス / センダイウイルス / ゲノム極性 / C蛋白質 / cDNAからのウイルス作成系 / プロモーター |
Research Abstract |
1. リーダープロモーターとトレーラープロモーターを全置換した変異ウイルスの作製 プロモーターを全置換したウイルスゲノムcDNAを構築し、両端にリーダー(Le)あるいはトレーラー(Tr)配列を、考えられる4種類の組み合わせでもつウイルスを得た。(ウイルス回収については、産業総合研究所西村・中西両博士に指導を受けた。)TrTrウイルスがウイルス増殖、細胞内RNA合成量が少なく、Trプロモーターが、Leプロモーターに比べて弱いことが推察された。 C蛋白質のプロモーターへの作用を検討するために、これらの変異の上に、さらにC蛋白質を欠損するウイルスの作製を試みたが、ウイルスは少量生成しているものの、手持ちの培養細胞あるいは発育鶏卵で増幅することができない状況である。ウイルス増殖に適している「TMPRSS2を発現するVero細胞」を入手したので、これを用いてウイルスの増幅を試みたい。あるいは、GFP融合C蛋白質を独立した遺伝子としてもつウイルスを作製し、GFPをノックダウンすることで、C蛋白質の量を調整できるウイルスの作製を試みたい。 2. C蛋白質変異株の解析 C蛋白質の一連の点変異ウイルスを検討した結果、一部の変異株Cm2, Cm3では、RNA合成に異常があり、+ゲノムが蓄積することが明らかになった。この変異部位のアミノ酸残基が、ポリメラーゼL蛋白質あるいはプロモーターとの相互作用に重要である可能性がある。今後の解析に使用できると思われる。また、これらの変異株では、感染細胞でIFN-βの合成が誘導されているので、RNA合成調節が自然免疫から逃れる機能と関連することが示唆された。今後、さらに研究を進めていきたい。
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Research Products
(3 results)