2010 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスNS2蛋白質が感染性粒子形成に関与するメカニズムの解明
Project/Area Number |
21590519
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
鈴木 亮介 国立感染症研究所, ウイルス第二部, 主任研究官 (50342902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 哲朗 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00250184)
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Keywords | HCV / NS2 / 粒子形成 / 感染性 |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)のNS2蛋白質は3回膜貫通蛋白質であると考えられており、従来の酵母Two-Hybridスクリーニング法では結合蛋白質のスクリーニングが困難である。その為、膜蛋白質の蛋白質相互作用を解析する事が可能な分割ユビキチン法を利用した酵母Two-Hybridスクリーニング系を用い、HCVのNS2蛋白質と相互作用を示す宿主因子を探索した。ヒト肝臓ライブラリーよりJFH-1株のNS2蛋白質をbaitとしてスクリーニングした結果、17種類のNS2結合蛋白質候補遺伝子を同定した。これらの遺伝子中には、膜に親和性の高い蛋白質や、分泌蛋白質が多く含まれていた。同定された遺伝子について、それぞれのsiRNAをHuh細胞に導入し、細胞内の宿主蛋白質の発現レベルの低下がHCVの増殖にどう影響するかについて、培養細胞由来HCVを感染させてから3日後の培養上清中のコア蛋白質量およびウイルス力価を測定する事により評価した。その結果、siRNAの導入により顕著にウイルス産生を抑制する宿主因子を見いだした。この遺伝子についてターゲット配列の異なる複数のsiRNAを用いたところ、ウイルスの産生量は細胞内での発現レベルと逆相関する事も確認できた。そこでこの宿主因子の遺伝子をPCR法によりクローニングし、発現プラスミドを構築した。これを用い、哺乳動物細胞内での宿主因子とHCV NS2蛋白質の結合を免疫沈降法により確認した。さらに宿主因子の過剰発現がHCVの増殖に及ぼす影響についても解析を行った。
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