2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規霊長類モデルを用いた急性慢性C型肝炎における自然免疫の意義に関する研究
Project/Area Number |
21590526
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
明里 宏文 Kyoto University, 霊長類研究所, 教授 (20294671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 友教 京都大学, 医薬基盤研究所・霊長類医科学研究センター, 研究員 (00451948)
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Keywords | 霊長類モデル / C型肝炎 / 自然免疫 / NK細胞 / GBV-B / 新世界ザル / HCV / マーモセット |
Research Abstract |
新規霊長類モデルを用いた急性慢性C型肝炎における自然免疫の意義に関する研究において、我々が新規に開発した霊長類サロゲートモデルを用いて、ウイルス感染過程に関する自然免疫応答の役割を明らかにすることを目的としてこれまで研究を進めて来た。その中で平成21年度に行った研究の成果を以下に述べる。1,自然免疫の重要な役割を担うNK細胞の活性評価系の作製および解析方法を確立した。これはカニクイザルとタマリンにおいてどちらも利用可能であることが示された。よってこの方法は、汎用性の高い方法であると考えられる。NK細胞のdepletionを行なった場合に、この方法を用いてNK細胞の活性がどれほど抑制されているかが判断できる点で、非常に有用なツールとなる。2,カニクイザルとタマリンにおいて、抗CD16(3G8)抗体による照細胞のin vivo depletionの至適条件の検討を行なった結果、50mg/kgの容量で抗CD16(3G8)抗体を投与することにより、NK細胞が顕著に減少することが明らかになった。さらに、NK細胞が減少している期間において、NK細胞活性が抑制されることを確認した。以上の結果より、抗CD16(3G8)抗体を投与することにより、生体内におけるNK細胞の意義を評価出来るものと考えられる。今後はこのin vivo depletion法を用いて、HCVのサロゲートモデルであるGBV-B感染タマリンモデルの感染急性期におけるNK細胞の役割について解析を進めたい。
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