2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590527
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
村田 和子 いわき明星大学, 薬学部, 教授 (20137631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅村 和夫 宮城県立がんセンター研究所, 発がん制御研究部, 特任部長 (20117360)
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Keywords | 小胞輸送 / 蛋白質分解 / TLR / シグナル伝達 |
Research Abstract |
蛋白質がユビキチン化された後、リソソームやプロテアソームに輸送され分解されことは生体の恒常維持に必須である。 申請者は小胞輸送関連蛋白質であるSTAM/Hrsの免疫系、特に自然免疫系における役割を解析するために、マクロファージ特異的にSTAM1/2を欠損させたLysM-Cre/STAM1^<flox/flox>/STAM2^<-/->(LysM-Cre/STAMscDKO)マウスを樹立して、TLR4の機能解析を行った。TLRのリガンドであるLPS刺激による炎症性サイトカイン(TNFα、IL-6)の産生は、in vivoならびにin vitroのいずれにおいても、野生型マウスに比べLysM-Cre/STAMscDKOマウスにおいて亢進していた。 そこで、このメカニズムを明らかにするために、TLRの下流のシグナル伝達ならびにTLRの分解について解析を行ったところ、Erkならびにp38のリン酸化が野生型マウスに比べLysM-Cre/STAMscDKOマウスにおいて上昇していた。また、IκBαのdownregulationが野生型マウスに比べLysM-Cre/STAMscDKOマウスにおいて亢進していた。次に、LPS刺激後のTLRの分解について経時的に調べたところ、LysM-Cre/STAMscDKOマウスにおいては野生型マウスに比べてTLRの分解の遷延化がみられた。このLysM-Cre/STAMscDKOマウスにおいてみられたTLRの分解の遷延化がリソソーム依存性であるのか、あるいはプロテアソーム依存性であるのかを明らかにするために、それぞれの阻害剤を用いて調べたところ、TLR分解の遷延化はリソソーム依存性であることが明らかとなった。 以上のことから、小胞輸送関連分子であるSTAM1/2はTLR4のライソソームでの分解経路に関与することにより、LPS-TLR4シグナル伝達機構において重要な働きをしていることが明らかとなった。
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