2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590531
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
生田 宏一 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (90193177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷一 靖江 京都大学, ウイルス研究所, 助教 (50432331)
原 崇裕 京都大学, ウイルス研究所, 助教 (90512301)
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Keywords | サイトカイン / IL-7 / ストローマ細胞 / 小腸上皮内リンパ球 / γδ T細胞 |
Research Abstract |
リンパ組織におけるIL-7産生細胞の分布と機能を明らかにするために、IL-7-GFP knock-inマウスを作製した。IL-7-GFPマウスでは骨髄ストローマ細胞、胸腺上皮細胞、腸管上皮細胞とともに、リンパ節やパイエル板のT細胞領域ストローマ細胞やリンパ管内皮細胞でGFPが発現していた。さらに、DSSにて大腸炎を誘導すると大腸上皮細胞におけるGFPの発現が上昇した。したがって、IL-7-GFPマウスは生理的ならび病的状態におけるIL-7産生細胞を明らかにするために有用であることがわかった。 小腸上皮内リンパ球(IEL)はαβ T細胞とγδ T細胞からなる。αβ IELは胸腺に由来することが明らかにされているが、γδ IELについては詳しいことが不明である。一方、IL-7 KOマウスでγδ IELが完全に欠失することから、γδ IELの分化にIL-7が必須である。そこで、胸腺または腸管で特異的にIL-7を欠損したIL-7コンディショナルKOマウスを使い、γδ IELの起源を解析した。胸腺上皮細胞でIL-7を欠損させたFoxN1-Cre IL-7-flox/floxマウスでは、胸腺のαβ T細胞とγδ T細胞が激減していた。このマウスの小腸ではαβ IELが減少傾向を示すもののかなり残っていたが、γδ IELはごくわずかしか存在しなかった。一方、腸管上皮細胞でIL-7を欠損させたVil-Cre IL-7-flox/floxマウスでは、胸腺のαβ T細胞とγδ T細胞に変化はなかった。このマウスの小腸ではαβ IELにほとんど変化がなく、またγδ IELも30%程度減少しているもののかなりの数が残っていた。以上の結果から、胸腺上皮細胞が産生するIL-7がγδ IELの分化に必須であることが明らかとなり、大部分のγδ IELが胸腺に由来することが示唆された。
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