2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規CDMファミリー分子によるリンパ球活性化の分子基盤
Project/Area Number |
21590537
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 芳彦 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 准教授 (00398083)
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Keywords | 免疫学 / シグナル伝達 / 細胞 / 組織 / 発生 / 分化 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
ヘルパーTリンパ球の活性化・分化における新規CDMファミリー分子DOCKXの機能解析をするために、DOCKX欠損マウスを用いて本研究を進めた。 (1) DOCKX欠損マウスでTリンパ球が著減するメカニズムを細胞・分子レベルで詳細に解析した。蛍光色素で標識したTリンパ球を移入し2次リンパ組織へのホーミング活性を検討すると共に、in vitroで各種ケモカインに対する遊走活性を解析した。また、抗CD3抗体による増殖応答、接着、生存やアクチン重合といった機能をDOCKX欠損Tリンパ球と野生型Tリンパ球間で比較解析した。さらにT細胞受容体下流のシグナルに関して生化学的な解析を行った。 (2) DOCKX欠損マウスの解析により、in vitroでのFoxp3^+CD25^+制御性Tリンパ球(Treg)への分化が著しく亢進していることを見いだした。この制御性Tリンパ球をCFSEラベルしたTリンパ球の増殖応答の系で共培養することにより、制御性Tリンパ球としての増殖抑制効果をコントロール群との間で比較検討した。in vivoおけるnTregの分化の状況をDOCKX欠損マウスと野生型マウスの問で比較検討した。 (3) ヘルパーTリンパ球の各種サブセットへの分化を詳細に解析するために、細胞内染色FACSを用いた各種サイトカイン産生を指標として、Th1, Th2, Th17, Tregへの分化をDOCKX欠損Tリンパ球と野生型Tリンパ球間で比較解析した。 これらの研究成果に基づき、自己免疫応答の視点でリンパ球活性化制御におけるDOCKXの機能を個体レベルならびに細胞・分子レベルで解析を進める予定である。
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Research Products
(6 results)