2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規CDMファミリー分子によるリンパ球活性化の分子基盤
Project/Area Number |
21590537
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 芳彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (00398083)
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Keywords | 免疫学 / シグナル伝達 / 細胞/組織 / 発生/分化 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
前年度までの研究成果に基づき、DOCKX欠損マウスを用いて、自己免疫応答の視点でリンパ球活性化の制御におけるDOCKXの機能を個体レベルならびに細胞・分子レベルで解析することで本研究を進めた。 (1)DOCKXの発現を欠くT細胞株に、HAタグを導入した完全長DOCKX及びDockerドメインを含む欠失変異体を発現するstable transfectant細胞株を対象に、抗HA抗体によるアフィニティークロマトグラフィーを行い、HAペプチドで溶出することで、DOCKXと会合する候補分子をプロテオミクスの手法により網羅的に解析した。候補分子に対して会合実験を行い、DOCKXと会合することを確認した。 (2)抗原提示細胞とペプチドを用いてDOCKX欠損TCR Tgマウスと野生型TCR Tgマウスとの間でTリンパ球の細胞増殖応答を比較し、より生理的なレベルでDOCKXが抗原特異的反応において重要な役割を果たしていることを見出した。 (3)野生型ならびにDOCKX欠損マウスに抗原を投与することで生体内におけるTリンパ球の増殖応答を比較検討し、生体内でDOCKX欠損Tリンパ球の増殖応答が障害されることを見出した。 (4)DOCKX欠損TCR Tgマウスを用いて、免疫シナプスの中央部のマーカーとしてTCRとPKCθ、周辺部のマーカーとしてLFA-1とTalin、脂質マイクロドメインのマーカーとしてはGM1を用いて、免疫シナプスおよび脂質マイクロドメイン集積におけるDOCKXの役割を解析した。 これらの研究成果に基づき、Tリンパ球活性化制御においてDOCKXが重要な役割を果たしていることが明らかとなった。本研究において明らかとなった免疫応答におけるリンパ球活性化の制御におけるDOCKXの役割をさらに詳細に解析することで、今後、自己免疫疾患治療法開発に向けての分子基盤が確立されることが期待される.
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