2010 Fiscal Year Annual Research Report
刺激型抗TLR抗体を用いた免疫賦活作用と感染防御機序の解明
Project/Area Number |
21590538
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
木本 雅夫 佐賀大学, 医学部, 教授 (40153225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福留 健司 佐賀大学, 医学部, 准教授 (50284625)
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Keywords | TLR4/MD-2 / LPS / 刺激型抗体 / 自然免疫 / 感染防御 |
Research Abstract |
本研究は、刺激型抗TLR抗体を用いて、その(1)サイトカイン産生・補助刺激分子発現誘導機序、(2)in vivoアジュバント様効果、(3)非特異的感染防御効果とその作用機序を解明し、刺激型抗TLR抗体によるヒトの感染防御と予防法の確立に向けた研究基盤を樹立することを目的とするものである。 昨年度に引き続き、刺激型抗体によるin vivo抗体産生の増強(アジュバント)効果の解析をおこなった。その結果、刺激型抗体を抗原(卵白アルブミン)とともに投与すると、明らかなアジュバント効果を認めた。さらに、刺激型抗体を単独で免疫前に投与すると、抗体産生は逆に抑制されることが確認された。この実験において、免疫されたマウスに同じ抗原を追加免疫すると抗体産生は増強される。初回免疫の前に刺激型抗体を前投与すると、追加免疫による抗体産生の増強は抑制される。しかし、抗体の前投与なしで免疫を行い動物個体を抗原感作の状態に誘導しておくと、追加免疫前に刺激型抗体を投与しても抗体産生の抑制は認められないことがわかった。このことは、刺激型抗体の単独投与による抗体産生の抑制は、免疫記憶には効果を及ぼさないことを示唆している。この機序解明を来年度おこなうこととする。この現象は、病原体感染あるいはワクチン投与により、一度免疫感作状態を誘導しておくと、他の病原体感染がおこってもその免疫記憶は有効であるということを示すものであり、感染症の予防、治療に新しい知見をもたらすものとして重要であると考えられる。
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Research Products
(7 results)