2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590545
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
饗場 祐一 独立行政法人理化学研究所, 分化制御研究グループ, 研究員 (00273516)
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Keywords | 免疫記憶 / B細胞 |
Research Abstract |
記憶B細胞は有害な外来抗原の効率的な排除、さらにワクチンによる感染防御の人為的な付加を行うに当たって重要であることが知られているが、その局在や活性化の様式、機序については不明な点が多い。(4-hydroxy-3-nitrophenyl)acetyl coupled-chicken gamma globulin (NP-CGG)を抗原としてマウスに免疫した場合、IgG1へと免疫グロブリン遺伝子がクラススイッチを起こした記憶B胞記憶B細胞は,濾胞内の胚中心と近接する領域に細胞塊を形成し存在することが明らかとなった。またこれらの細胞は、再度の抗原刺激に応答して、その存在する場所、胚中心の近傍で活性化されることが明らかとなった。一方、NP-CGG免疫により誘導される記憶B細胞には、免疫グロブリン遺伝子のクラススイッチの起きていないIgM陽性細胞も存在することが明らかとなった。このIgM陽性記憶B細胞はさらにIgD陽性と陰性の細胞群に分離される。記憶B細胞の機能に重要と考えらている高親和性抗体の選択が、IgM陽性記憶B細胞に働いているかを明らかにするため、IgMIgD陽性記憶B細胞とIgM陽性IgD陰性記憶B細胞の免疫グロブリン遺伝子配列の決定を行ったところ、IgMIgD陽性記憶B細胞では高親和性抗体の選択が起きているのに対して、IgM陽性IgD陰性の記憶B細胞には選択が起きていないことが明らかとなった。複数の記憶B細胞が存在し、それらの細胞群で異なった選択機構が働いていることから、これらの細胞群には記憶免疫応答において異なった機能を担っている可能性が示唆された。現在それぞれの記憶B細胞の末梢リンパ器官中での局在、機能及び反応様式の相違についての解析を進めている。
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Research Products
(1 results)