2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590549
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
西條 泰明 Asahikawa Medical College, 医学部, 教授 (70360906)
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Keywords | 地域医療 / 職業ストレス / 過重労働 / 地理情報システム |
Research Abstract |
(1)GISを用いた中核病院からのアクセスの差による健康格差の検討 北海道内各市町村の5年間平均の1000出生当たりの乳児死亡率、新生児死亡率、周産期死亡率を計算した。産婦人科・小児科救急拠点病院へのアクセス時間については、産婦人科医と小児科医の常勤医がそれぞれ2名以上勤務病院ホームページ上で確認できた28施設を産婦人科・小児科拠点病院とした。各市町村役場所在地を起点としてGISソフトウエアで自動車による到達時間を推定し、各市町村からのアクセス時間を説明変数として乳児死亡率の第4四分位、新生児死亡率の第3三分位、周産期死亡率の第4四分位となるオッズ比(OR)についてロジスティック回帰分析を用いて算出した。乳児児死亡率ではアクセス時間による有意な差を認めなかった。新生児死亡率については、アクセス時間が60分以上90分未満の群が30分未満の群に比べて有意に減少していた(OR=0.21、95%信頼区間(CI):0.06-0.70)。また、90分以上の群では上昇する傾向を認めた(OR=4.17、95%CI:0.17-1.05)。周産期死亡率はアクセス時間が30分以上60分未満の群において上昇する傾向をみとめた(OR=2.36、95%CI:0.94-5.99)。以上のアウトカムには、病院近辺へ宿泊しての待機や、都市部の未受診妊婦の影響等があり、差がはっきりしなかった可能性がある、しかし、拠点病院アクセスに90分以上の市町村は40(22.8%)に認め、効率的な配置を検討する必要があると考えられる。 (2)勤務医の過重労働・ストレス要因の検討 倫理申請員会で承認後に、旭川医大卒業生への無記名のアンケート調査を行った。暴露要因として地域(都市部か地方か)、診療科目、職位、勤務医・開業医であるか、救急病院であるか否か、常勤・非常勤であるかについて、労働の負荷については、週当たりの平均労働時間、当直回数、休日の日直回数、on call日数、職業性ストレス簡易調査票について把握し、アウトカムとして睡眠障害やメンタルヘルス(PHQ, burnout)を把握した。
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Research Products
(2 results)