2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590549
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
西條 泰明 旭川医科大学, 医学部, 教授 (70360906)
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Keywords | 地域医療 / 過重労働 / 職業ストレス / 地図情報システム |
Research Abstract |
(1)GISを用いた中核病院からのアクセスの差による健康格差の検討 北海道内各市町村の5年間平均の脳血管疾患の標準化死亡比(SMR)について拠点病院へのアクセス時間を検討した。拠点病院へのアクセス時間については、各市町村役場所在地を起点としてGISソフトウエアで自動車による到達時間を推定し、各市町村からのアクセス時間を説明変数として男女それぞれの脳血管疾患第4四分位となるオッズ比(OR)についてロジスティック回帰分析を用いて算出した。男性ではアクセス時間が90分以上の群が30分未満の群に比べて有意にオッズ比を上昇した(OR=3.32、95%信頼区間(CI):1.24-8.89)。女性では90分以上の群で上昇する傾向を認めた(OR=2.82、95%CI:0.99-8.03)。脳血管疾患について外科処置の出来る脳外科専門病院へのアクセスが重要と考えられる、しかし、拠点病院アクセスに90分以上の市町村は51(29%)に認め、効率的な配置を検討する必要があると考えられる。 (2)勤務医の過重労働・ストレス要因の検討 勤務医424名が解析対象となった。説明変数として、勤務地、当直の有無、呼び出し当番の有無、勤務時間、職業ストレス簡易調査票より要求度、コントロール、上司のサポート、同僚のサポート、家族・友人のサポートの各得点を用いた。不眠はアテネ不眠調査票により6点以上を不眠(+)と判定した。ステップワイズ法の結果、当直有りで有意に不眠症状出現のオッズ比が高くなり、職業ストレスではコントロール得点の上昇や同僚のサポート得点の上昇により有意にオッズ比が減少した。勤務医において当直があることは不眠症状出現に関連するが、コントロール良好な職場や同僚のサポートが良好であることが不眠症状の出現に抑制的に働くことが考えられ、このことは今後の対策に重要であると考えられる。 (3)ヘルスリテラシーの検討 文献レビューを行ったが、現時点で質問票については、日本で広く一般に用いることができるのは、15 item Japanese Health Knowledge testと考えられた。
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Research Products
(2 results)