2011 Fiscal Year Annual Research Report
電子的クリニカルパスのためのアウトカム用語の標準化
Project/Area Number |
21590554
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小出 大介 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (50313143)
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Keywords | アウトカム / クリニカルパス / 電子カルテ / 標準化 / 用語 |
Research Abstract |
近年クリニカルパス(以下パスと略す)が普及してきた。一方パスを電子化する病院も増えている。しかし紙のパスを電子化することは、単に媒体が違う以上に運用や管理も含めて変わってくる。特に電子化では用語を管理するマスタが必要となるが、各機関で独自にマスタを作成することは、労力と時間を要し、更に独自性が将来的なシステム更新や地域への発展の障壁となりかねない。逆に共通マスタを使うことで、施設間の比較が容易となり評価や質向上へ繋げることができる。 そこで本研究では各施設のパスを収集して分析し、アウトカム項目の標準的なマスタを作るとともに、それらをWeb上で公開し、様々な施設の今後の電子的パス作成に寄与することを目的とした。 研究の3年目にあたる平成23年度は、これまで収集した30施設から301種類の医療者用パスに、平成23年末迄にMEDISのパスライブラリーに追加された8施設から43種類のパスを追加してアップデートを実施した。また患者用パスも同様に308種類のパスについてアウトカムを精査した。その結果多くの患者用パスのアウトカムは医療者用パスのアウトカムに網羅されていることが判明した。そして第三者の意見を基にアップデートやカテゴリの見直しも実施した。 さらにパス学会からも標準アウトカム用語集であるBasicOutcomeMaster(BOM)が発表されたことから、そのBOMと本研究の「パス用標準アウトカム」との比較を実施した。その結果、多施設から得た本研究の「パス用標準アウトカム」でもBOMの約半数しか網羅されておらず、むしろ領域を設定して極力少ない項目から増やしていくBOMの手法はプロセスとして利点があると考えられた。しかしBOMも項目の使い分けで判断に困る点もあり、また追加が必要な項目もあると思われ、本成果も反映させることでより良いものになると考察された。
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