Research Abstract |
本年度は研究計画に沿い、医療通訳者に残る課題である即時性,簡便性,普遍性,医療経済的観点を克服する多言語医療会話支援ソフトウエアの仕様の概要を作成した.本システムの開発上重要な点は医療用文例用語作成・翻訳とそれをコンピュータ上に表示させるためのソフトウエアシステムの開発の2点である.医療用文例用語作成・翻訳に関しては,小児救急ならびに産婦人科日本語文例は複数のそれぞれの認定医ならびに専門医により作成され,さらに,英語,中国語,ポルトガル語,スペイン語をそれぞれ母語とする医師により外国語に翻訳された.翻訳を担当する外国人医師はすべて神戸大学医学部留学生であり,母語とともに日本語も理解できることを条件に選んだ.また,翻訳に際しては日本人医師と直接協議・確認しながら進めることで,正しく翻訳されるよう万全を期した.その翻訳をコンピュータ上に表示させる多言語医療会話支援ソフトウエアの開発は,その仕様の概要がまとまった。具体的には,セキュリティ機能,搭載可能文例等,質問簡易検索・選択,画面ナビゲーション機能,翻訳文同時表示機能,同時マーキング機能,データ保存機能,保存データの検索,削除,再入力機能,カスタマイズド機能等を搭載した形で,動作可能な段階にまで到達している。汎用的なWindowsのOS(Windows 2003または同XP)を搭載したノート型PC上において単体で動作するソフトウエアとし,また,開発ソフトウエアはCD-ROM等の媒体により,簡易に他のPCに移植が可能なものとする.
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