Research Abstract |
地域住民が健康で幸せな生活を送っていくためには,より良質で一貫した保健・医療・福祉(介護)サービスを効果的かつ効率的に提供する地域保健・医療・福祉包括ケアシステムの構築が重要になってくる。そこで,本研究は,システム工学,地域医療学,経営工学,および,情報工学の立場から,地域包括ケアシステムのあるべき姿を把握し,本システムの推進・支援のために,本システムの主要要素(システム)である「地域包括ケア総合推進システム」,「地域包括ケア支援情報ネットワークシステム」,および,「地域包括ケア評価支援情報システム」の設計・開発・評価を行っていくことを目的としている。 本年度においては,とくに「地域包括ケア総合推進システム」の設計を進めていくために,地域保健医療福祉従事者および関係者・研究者を対象に,地域包括ケアシステムに関する意識と推進状況・問題点等に関してのヒアリング調査およびアンケート調査分析を実施し,地域包括ケアシステムのあるべき姿と現状,および,関係者の意識実態について調査分析を行った。これら結果について学会等で報告を行った。さらに,この結果を活用して,地域包括ケアのシステム化課題,システム化理念・方針・目標および推進方策について設計を行い,「包括ケア総合推進システム」の概念,構造,および,導入方法について検討を行った。 なお,本研究の調査結果では,保健医療福祉包括ケアシステムの推進は十分に推進されていないこと,市町村規模によりその推進状況と意識に大きな違いがあること,および,地域包括ケアシステムの推進に向けて地域性・推進状況・市町村規模等に配慮した地域包括ケア総合推進システムの構築が望ましいこと,等が明確になっている。
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