2010 Fiscal Year Annual Research Report
新型インフルエンザ・パンデミックにおける「往診システム」の検証
Project/Area Number |
21590574
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三谷 智子 京都大学, 医学研究科, 准教授 (30378757)
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Keywords | 危機管理 / 社会医学 / 感染症 / パンデミック / 社会ネットワーク |
Research Abstract |
パンデミック時の医療リソースを明らかにするため、医療従事者の意識に関してまず調査を行った。この結果は内外の学会で発表するとともに、学会誌でも投稿しており、現在印刷中である。この研究は2008年9月から12月に行われた。6つの病院の全職員3,152名に質問票を送付し、2,017名から回答を得た。211名(11%)はパンデミック時に病院に来ない「出勤拒否群」で1750名(89%)は「出勤群」であった。両群で年齢、性別の分布、職種による分布に有意な差は認められなかった。自宅が遠くなるほど、出勤する人の割合は低くなる傾向があり、一人暮らしの人は同居の家族がいる人に比べて、出勤すると回答していた。この研究から、病院での何らかの取り組みは、職員の出勤率を上げる傾向があることが明らかになった。 さらに昨年度には、住民がH1N1パンデミックの際にどのような受診行動をとったかについて、京都のベットタウンであるK市のある地区で悉皆調査を行っている。研究計画では、葬祭業者を含む他業種への調査であったが、葬祭業者などの業者は数が限定され、特定されることで適切でないと判断した。また、住民の悉皆調査を行って、実際の行動を明らかにする方が研究上意味があると判断し、住民調査に切り替えた。調査は11,183戸に対して質問票を戸毎に配布する方法で行われた。回収率は19.8%であった。現在、データの入力を終えており、これから解析をするところである。結果は、国内外の学会で発表していく所存である。
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