2009 Fiscal Year Annual Research Report
経済連携協定に基づく外国人看護師受け入れの実態及び看護師需給への影響に関する研究
Project/Area Number |
21590583
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
松本 邦愛 Toho University, 医学部, 助教 (50288023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 友紀 東邦大学, 医学部, 教授 (10198723)
瀬戸 加奈子 東邦大学, 医学部, 大学院生 (50537363)
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Keywords | 医療社会学 / 医療政策学 / 国際経済学 / 労働移動 / 経済連携協定 / マンパワー |
Research Abstract |
本年度の研究は、文献調査、医療従事者国際間移動の制度的枠組みの調査、受入れ病院に対するヒアリング調査、送り出し国政府に対するヒアリング調査を行った。 文献調査では、看護師の国際移動に関しての研究は多いものの、EPA/FTAを通じた看護師の移動ということでは本ケースが初めてであることが明らかになった。制度的枠組みの調査では、EPA/FTA自体は、現在の重層的な生産構造をもった東アジア生産ネットワークの中では、国益の点から提携せざるを得ないものであること、労働移動の問題はEPA条文の中に占める割合は極めて小さく附属的問題であることを明らかにした。受入れ病院へのヒアリング調査は、首都圏の3病院、大阪の1病院で実施し、国家試験対策などが施設によってばらばらである実態を明らかにした。送り出し国政府に対するヒアリングでは、看護師の国際間移動を経験しているシンガポールと、これから日本に介護福祉士、スパ・セラピストを送ろうとしているタイの保健省で聞き取りを行った。特にタイでは、タイ政府が考える送り出しスパ・セラピストの質について明らかにすることができた。 本研究は、国際経済学、労働経済学、社会医学にわたる学際的研究である。このような包括的視点から本問題をとらえた研究はほかになく、意義深いものと考えられる。本年度の結果は次年度行われる、来日看護師、受入れ施設へのアンケート調査の基本的情報としてつかわれることになる。
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