2011 Fiscal Year Annual Research Report
経済連携協定に基づく外国人看護師受け入れの実態及び看護師需給への影響に関する研究
Project/Area Number |
21590583
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
松本 邦愛 東邦大学, 医学部, 講師 (50288023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 友紀 東邦大学, 医学部, 教授 (10198723)
瀬戸 加奈子 東邦大学, 医学部, 助教 (50537363)
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Keywords | 医療社会学 / 医療政策学 / 国際経済学 / 労働移動 / 経済連携協定 / マンパワー |
Research Abstract |
本年度の研究は、受け入れ施設へのヒアリング調査をもとにアンケート票を作成し、EPAによる外国人看護師349名(インドネシア人261名、フィリピン人88名、2008年104人、2009年245人)を対象に、郵送による自記式アンケート調査を行った。また、昨年度に引き続き、送り出し予定国政府に対するヒアリング調査を行うとともに、国内外の学会において研究成果の報告を行った。 アンケートの結果は、まず看護師国家試験時間に関しては、70%弱が試験時間を「短い・やや短い」と感じていた。2010年に行われた国家試験の改革(漢字ルビ、英語病名、平易な日本語)に関しては、50~70%が、「役に立った・やや役に立った」と感じていた。更なる要望として「英語名を増やす」「更に表現を平易にする」が各々約60%、70%ずつあった。苦手科目は、上位より、「社会保障制度と生活者の健康」「精神看護学」「在宅看護論」「母性看護学」「老年看護学」となった。 外国人看護師の受け入れに関するさらなる改革として、より簡単な日本語や英語表記をもとめる声は多いが、医療の質や安全の面で問題が生じることも考えられる。これを考えれば、試験時間を延長する、ということが最も現実的な改革になるのではないかと考える。また、苦手科目は、出身国では教えられていない内容が多く、日本語のサポートのほかにこのような科目へのサポートも必要とされることが明らかになった。 EPAに基づく外国人看護師の受け入れが始まって4年になろうとしている。本研究の成果ははより良い受け入れシステムを作り上げるための議論の土台として、意義深いものと考えられる。
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