2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞新生を基盤とした治療抵抗性うつ病の病態解明および治療薬開発
Project/Area Number |
21590593
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
北村 佳久 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40423339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 博己 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60125151)
浅沼 幹人 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (00273970)
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Keywords | 治療抵抗性うつ病 / 抗うつ薬 / 視床下部-下垂体-副腎皮質系 / 脳由来神経栄養因子 / リチウム / 電気けいれん刺激 |
Research Abstract |
申請者は下垂体ホルモンであるadrenocorticotropic hormone (ACTH)を反復投与した視床下部-下垂体-副腎系過活動モデル(ACTH反復投与ラット)は既存の抗うつ薬の抗うつ効果が消失すること、さらに本モデルにおいて海馬の委縮および細胞新生抑制の結果を報告している。そこで、平成23年度はACTH反復投与による海馬における細胞新生の抑制メカニズムを解明するために、細胞新生を制御する情報伝達系の変化について検討を行った。 ●ACTH反復投与ラットにおけるlithiumおよび電気けいれん刺激のBDKF伝達系を介した作用機序に関する検討 ACTH反復投与ラットの海馬において、神経栄養因子のbrain derived neurotrophic factor (BDNF)の前駆型であるpro-BDNFの発現減少が認められた。BDNFは海馬の神経新生において細胞の増殖および生存に必要な神経栄養因子であり、本結果はACTH反復投与による細胞の増殖および生存の抑制との関連が推察される。ACTH反復投与によるpro-BDNF発現の低下はimipramineおよびlithiumの併用投与で拮抗された。一方、電気けいれん刺激ではmature-BDNF発現が増加した。本結果はimipramineとlithiumの併用投与および電気けいれん刺激の治療抵抗性うつ病に対する抗うつ効果にはBDNF経路を介した細胞新生が関与している可能性が推察された。
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Research Products
(5 results)