2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590596
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
近藤 新二 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90398149)
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Keywords | 緑内障 / 遺伝子 / 関連解析 |
Research Abstract |
緑内障は眼圧の上昇などにより視神経が徐々に欠落して視野が欠損していき、最後には失明に至る疾患である。世界的に見ても中途失明の原因第2位を占め、我が国に於いては40歳以上の約20人に1人が緑内障に罹患していると考えられている。緑内障では、一度視神経が障害され視野が狭窄すると二度と回復することはない。さらに、視野狭窄は初期に自覚されることは無く、気づいたときには症状が進行していることが多いため早期発見が重要と考えられている。症状は視神経乳頭が変形、陥没していくことにより生じるが、その変形の原因は不明で眼圧説、自己免疫説、遺伝子異常説など環境因子、遺伝因子それぞれ諸説ある。本研究では分子遺伝学的手法を使用することにより緑内障の遺伝子的な発症要因を解明することを目的として研究を行った。そのためのモデルとして鹿児島県の離島に多発している狭隅角緑内障に着目した。全期間を通じた具体的方法としては、(1)同地区から検体を採取する。それを用いて(2)候補遺伝子アプローチ法により患者対照関連研究を行う、(3)全ゲノム関連解析法による疾患感受性遺伝子の同定もそれに併せて行う。(4)同定された遺伝子の機能解析を行うこととした。 平成23年度は、以前同地区からインフォームドコンセントを得た上で採取した血液検体から抽出したDNAサンプルを使用して、昨年度から引き続いて、候補遺伝子CYCIB1,LOXL1,WDR36,FOXC1,CYP2D6,MTHFRなどを対象にしてタグSNPを選出してジェノタイピングを行った。その結果としていずれの遺伝子にも有意な結果は得られなかった。 本研究課題は今年度で終了となるが、感受性遺伝子が同定されれば発症機序の解明や治療や予防に対する一助になると考えられるため、今後もさらにその他の候補遺伝子を含めた解析は必要と考えられる。
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