2010 Fiscal Year Annual Research Report
肺静脈の電気的興奮を制御する心房細動治療標的分子に関する研究
Project/Area Number |
21590602
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
高原 章 東邦大学, 薬学部, 准教授 (80377481)
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Keywords | 心房細動 / 肺静脈 / 薬物治療戦略 / 異常自動能 / イオンチャネル |
Research Abstract |
肺静脈心筋の電気生理学的特徴は心房筋と異なることが従来から知られている。ところが肺静脈の電気活動に対する抗不整脈薬の作用に関する情報は少ない。本研究では肺静脈の興奮伝導に対する4群抗不整脈薬ベプリジルの作用を検討した。モルモットから心肺を摘出して左心房内および肺静脈内の伝導速度と有効不応期を計測した。薬物投与前の肺静脈内と左心房内の伝導速度はそれぞれ0.4m/sおよび1.0m/sであり、各々の有効不応期は70msおよび53msであった。ベプリジル(10μM)を標本に適用すると肺静脈の有効不応期が7ms延長したが、左心房の有効不応期は影響をうけなかった。また、ベプリジルは肺静脈および左心房の伝導速度に影響を与えなかった。一方、ピルジカイニド(10μM)は肺静脈と左心房の伝導速度を有意に低下させ、有効不応期を延長(肺静脈12ms、左心房20ms)させた。次に微小電極法で肺静脈心筋および左心房筋の活動電位を記録した。ベプリジル(10μM)は肺静脈心筋の活動電位持続時間(APD_<90>)を34ms延長させ、左心房筋のAPD_<90>を7ms延長させた。以上の結果より、ベプリジルは左心房に比較して肺静脈心筋の再分極過程に対して強力に作用することが示された。
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Research Products
(6 results)