2009 Fiscal Year Annual Research Report
ニューログリカンC欠損マウスは薬物による異常行動を克服する
Project/Area Number |
21590606
|
Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
青野 幸子 Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center, 周生期学部, 主任研究員 (20231780)
|
Keywords | ニューログリカンC / コンドロイチン硫酸 / プロテオグリカン / ノックアウトマウス / ノックインマウス / メタンフェタミン / 行動異常 / プレイオトロフィン |
Research Abstract |
ニューログリカンC(NGC)は脳に特異的に発現する膜貫通型コンドロイチン硫酸(CS)プロテオグリカンである。本研究の目的は、3種類のNGC遺伝子改変マウス(NGC完全ノックアウト(NGC-KO)マウス、NGCの発現量が数%に抑制されたNGCノックダウン(NGC-KD)マウス、CS鎖の結合していないNGCを発現しているNGC-S123Aマウス)を用いて、その詳細な解析を行い比較検討することによって、NGCが神経回路網形成、神経伝達においてどのような機能を担っているのか、あるいは行動様式にどのように関わっているのか明らかにすることである。 1)神経回路網形成におけるNGCの役割 NGCには培養神経細胞の突起伸長作用がある。NGCの突起伸張に関連のある分子を同定するため、今年度は、NGC細胞外ドメインを結合させた樹脂を用いてアフィニティクロマトグラフィーを行い、大脳皮質よりNGC結合タンパクを精製した。精製した結合タンパクはプレィオトロフィンであることを明らかにすることができた(in press)。 2)NGCと行動様式 申請書には、NGC-KOマウスは覚醒剤の一つであるメタンフェタミンに対して野生型マウスと異なる反応を示すことを記載したが、今年度は例数を増やしてその結果を確認することができた。NGCは薬物による異常行動に関連した分子であると考えられており、今回の結果はその考えを支持するものであった。NGC-S123Aマウスと野生型マウス間には大きな違いは認められなかった。メタンフェタミンによる異常行動はNGCのコアタンパクを介して行われることが示唆された。
|
Research Products
(3 results)