2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21590608
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 繁 Hokkaido University, 大学院・保健科学研究院, 助教 (20431314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富居 一範 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (20431306)
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Keywords | NKG2D / DETCs / H60c |
Research Abstract |
NKG2DシステムはNK細胞の主要な活性化システムである.NK細胞は腫瘍細胞などの異常細胞で発現が誘導されるNKG2Dリガンド(以下NKG2DL)を認識し,それを破壊する.このシステムはNK細胞以外にもγδT細胞にも存在する.マウスの皮膚免疫監視には常在性γδT細胞(DETCs ; dendritic epidermal T cells)が重要であり,NKG2Dはその認識機構に関与しているが詳細は不明である.H60cは新規マウスNKG2Dリガンドであり,その遺伝子はほぼ皮膚に限局して転写されていることから,これまで不明であった皮膚の免疫監視に関与するNKG2Dリガンドであることが強く示唆される.そこでH60cの発現制御機構,機能,生化学的性状の解析をおこなった.皮膚でのH60c遺伝子発現細胞はケラチノサイトであったことから,試験管内でケラチノサイトに各種刺激を与えH60cの誘導を確認したが明らかな発現誘導は確認されなかった.しかしながら,H60cは培養することでケラチノサイトに誘導される主要なNKG2Dリガンドであることが確認された.また,マウス皮膚に形成させた腫瘍でH60cの発現が確認されたことから発癌などのDNAダメージにより誘導されることが推測された.H60cはダイマーを形成する唯一のNKG2DLであるが,強制発現細胞表面上では主にモノマーが発現していることが確認された.リコンビナントH60cダイマー蛋白質とNKG2Dとの親和性はNKG2DLの中で最も低いものであったが,モノマーとなることで非常に高い親和性を示した.これらの結果からH60cはDETCsを活性化し,皮膚免疫に関与する重要なNKG2Dリガンドであることが示唆された.
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Research Products
(3 results)