2009 Fiscal Year Annual Research Report
アンジオポエチン様蛋白異常による高高比重リポ蛋白血症の抗動脈硬化性
Project/Area Number |
21590616
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
稲津 明広 Kanazawa University, 保健学系, 教授 (80293348)
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Keywords | 高比重リポ蛋白 / アンジオポエチン様蛋白 / 高HDL血症 / リポ蛋白リパーゼ / インヒビター / 遺伝子変異 / CETP欠損症 / 血管内皮リパーゼ |
Research Abstract |
本邦の血清HDLコレステロール値は、欧米に比べ高いことが知られている。われわれは、一般人の約1%に高HDLコレステロール(HDL-C)血症>100mg/dLを認め、その成因として高HDLコレステロール血症>100mg/dLにおいて約50%はコレステリルエステル転送蛋白(CETP)の遺伝的低下症であることを報告してきた。さらにCETP遺伝子の高頻度のイントロン14G>A変異と機能性多型であるD442G変異がそれぞれ一般人の1%と9%に認められることを報告してきた。しかしながら、CETP欠損症以外の成因は未だ不明である。 本年度の当該研究ではリポ蛋白リパーゼや血管内皮リパーゼの内因性インヒビターであると考えられているアンジオポエチン様蛋白(ANGPTL)4とANGPTL3の遺伝子変異及び機能性多型をCETP欠損でない高HDL血症の末梢血液由来DNAを用いて異常の有無を検索した。対象は空腹時血清でTG<30mg/dLを伴う高HDL-C血症(>100mg/dL)3例であり、ANGPTL4およびANGPTL3のプロモーター領域およびエクソン領域をPCR-ダイレクトシークエンス法で塩基配列の解析を行った。その結果、ANGPTL4およびANGPTL3ともに既存のSNP以外の変異は見つからなかった。その後に16例に対象者を追加して同様にANGPTL3遺伝子を検討したが(HDL-C 116±20mg/dL、TG 49±15mg/dL)、既存のSNPを同定したのみであった。
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