2009 Fiscal Year Annual Research Report
新しい測定原理に基づく血小板凝集能検査の自動化法ならびに全血法の開発
Project/Area Number |
21590618
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
佐藤 金夫 University of Yamanashi, 医学部, 助手 (20242662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 由基男 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30134539)
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Keywords | 血小板凝集能測定装置 / 自動化 / マイクロプレート |
Research Abstract |
【装置の作成】現在、国内で販売されている血小板凝集能測定装置は用手法であり、1度に1~2名の検体しか測定できず、さらにサンプルの前処理から終了まで1名の技師を拘束することになり測定効率が著しく悪い.そこで、多検体処理ができ、かつ低コストで測定できる新しい機構の血小板凝集能測定装置の開発を目指した.反応槽は96穴マイクロプレートとし、マイクロプレートミキサーの振盪力によりウェル内の血小板浮遊液を撹拌して血小板凝集反応を維持させる機構を基本設計として装置を作成した. 【測光系の評価】50~200μLのPRPをウェルに分注して、ADPを添加して300~1200rpmにて血小板凝集能を測定した.100μL以下のPRP量ではPPPと比較して充分な吸光度差が得られず、凝集能の測定は困難であった.これは回転運動による遠心力でPRPが外側に押しやられて光が通過する中心部分の液厚が減少することが原因であった.振盪による液厚の変化は当初の予想より吸光度の変化に大きく影響し、PPPとPRPの吸光度差が逆転することもあり、ここまでに設定した測定条件では安定したデータを得ることが困難であると判断した.そこで、液厚の変化を取り除くため、振盪を停止する時間を組み込むよう振盪プログラムを変更し、停止している時の吸光度を測定値とする方法を試みた.その結果、振盪を停止しているタイミングでの吸光度を結んで移動平均をとることで解離を伴う一次凝集パターンが得られた. 【凝集反応の評価】ここまでの結果より、回転数を1200rpm、22秒振盪して8秒停止、PRP量180μLとし、終濃度が0.5~4μMとなるADPを加えて濃度依存性を評価した.移動平均をとると、従来法である濁度法と相似した反応曲線が得られ、新しい測定装置により血小板凝集能が評価できると考えられた.
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