2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクター・ピロリ菌の細胞死(プログラム死)と持続感染・宿主免疫応答
Project/Area Number |
21590631
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
竹内 啓晃 高知大学, 教育研究部・医療学系, 講師 (90346560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 哲朗 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (50171145)
公文 義雄 高知大学, 教育研究部・医療学系, 准教授 (40215033)
森本 徳仁 高知大学, 医学部附属病院, 主任臨床検査技師 (60398055)
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Keywords | ヘリコバクター・ピロリ / 細胞分裂 / CdrA / FtsZ / 分裂制御遺伝子(MinC, MinD, MinE) / 各遺伝子破壊株 / 慢性持続感染 / IL-8 |
Research Abstract |
これまでの結果よりピロリ菌の増殖・細胞分裂には申請者らが見出したcdrA遺伝子が分裂抑制的に作用し破壊株ではその結果、増殖が亢進した。このようなcdrA機能不全は感染動物やヒトにおいて慢性持続感染中に起こる可能性が示唆されていた。そこで、日本と米国で得られた臨床分離株のcdrA保存状況を調べcdrA機能保持株感染者vs機能不全株感染者間で生検組織を使用してIL-8発現量をELISAで解析した。その結果、機能不全株感染者のIL-8誘導量は機能保持株感染者の半分であった。このことは、cdrA機能不全株は宿主免疫応答を減弱し攻撃(排除)を回避することで慢性持続感染維持に貢献している可能性が示唆された。またcdrAによるIL-8誘導はNF-κB経路であることも明らかにした。 また、細胞分裂制御遺伝子(minC,minD,minE)のピロリ菌内での作用を解明する目的で、各遺伝子破壊株およびdouble遺伝子破壊株(ΔminDE)を作成し形態、FtsZ発現・局在をウエスタンや蛍光免疫染色を実施し解析した。結果、全破壊株はフィラメント化(その程度には差を認める)したが、分裂・増殖は野生株と同等であることから、菌体形成(特に長軸)の制御に関与することが判明した。大腸菌で出現するミニ細胞や無核細胞は認めず、大腸菌とその菌体内作用が異なることを示した。また、ΔminE株はコッコイド出現を殆ど認めず、コッコイド形成に必要な遺伝子である可能性が示唆された。また、ΔminDE株は増殖が極めて悪く、溶解やバーストした変性菌が多数出現し、巨大なコッコイドも認めた。FtsZの局在はΔminDEとΔminD株で全く局在せず、細胞質内に分散して観察された。今後は各遺伝子のピロリ菌体内における分子間相互作用の解析が必要である。
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Research Products
(26 results)
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[Journal Article] Improved assay for differential diagnosis between Pompe disease and acid alpha-glucosidase pseudodeficiency on dried blood spots2011
Author(s)
Shigeto S, Katafuchi T, Okada Y, Nakamura K, Endo F, Okuyama T, Takeuchi H, Kroos MA, Verheijen FW, Reuser AJ, Okumiya T
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Journal Title
Molecular Genetics & Metabolism
Volume: 103
Pages: 12-17
DOI
Peer Reviewed
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