2010 Fiscal Year Annual Research Report
表面プラズモン共鳴解析による抗アミロイド抗体などの低親和性自己抗体の検出
Project/Area Number |
21590637
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
山田 俊幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (50211636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 純司 自治医科大学, 医学部, 研究員 (90536301)
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Keywords | アミロイドーシス / 表面プラズモン共鳴 / 自己抗体 / 血清アミロイドA |
Research Abstract |
アミロイドーシスの診断ツールとして、患者血清中に出現するとされている抗アミロイド抗体を検出する系を確立することが最終目的である。方法論として弱い抗原抗体反応を検出できる表面プラズモン共鳴解析(Biacore)を用いる。 今年度は患者血清への応用の前段階として、抗原の可溶化条件を含む抗原の適切な形状についてまず検討した。アミロイド物質は不溶性のため、尿素やグアニジンのような変性剤で可溶化する必要がある。検討の結果、4Mグアニジンで可溶化後、通常の生理的緩衝液で希釈することによって少なくとも抗SAA抗体の結合については抗原性が保たれることを確認した。 次に、上記のように調整された抗原をプレートに固相して古典的な2段階ELISAの系を構築し、実際に正常ヒト血清を試料として測定した。2次抗体に抗ヒトIgG、IgA、IgMの標識抗体を使用したが、バックグラウンドが高く、緻密な評価は困難とされた。そこで本来の目的であるBiacoreの系で同様のことを試しているが、チップへの抗体結合量とそれに応じた抗原結合量の条件づけを引き続き行っているところである。 以上、研究タイトルの実現はまだ困難を極めると予想されるが、研究の副産物として初年度は品質の高い抗マウスSAAモノクロナル抗体を取得できたこと、2年目はアミロイドの可溶化条件を設定できたことが成果である。最後の3年目で研究タイトルを実現したい。
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