2011 Fiscal Year Annual Research Report
表面プラズモン共鳴解析による抗アミロイド抗体などの低親和性自己抗体の検出
Project/Area Number |
21590637
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
山田 俊幸 自治医科大学, 医学部, 教授 (50211636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 純司 自治医科大学, 医学部, 研究員 (90536301)
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Keywords | アミロイドーシス / 血清アミロイドA / 表面プラズモン共鳴 / 自己抗体 |
Research Abstract |
AAアミロイドーシスの診断ツールとして、患者血清中に出現するとされている抗アミロイド抗体を検出する系を確立することが最終目的である。方法論として弱い抗原抗体反応を検出できる表面プラズモン共鳴解析(Biacore)を用いる。 平成21,22年度の研究で、Biacoreによる抗アミロイド抗体の検出系構築のため、Biacoreのセンサーチップへの抗原の結合条件、そのための抗原の可溶化条件の検討を行ってきた。平成21年度には、マウスを使ったモデル系構築のため、マウスAA前駆蛋白であるSAAに反応するモノクロナル抗体を作製した。最終年度である平成23年度に至り、ヒト系でのBiacore解析をAAアミロイド抗原と特異抗体の結合を患者自己抗体が競合する、という測定系を目指すことにした。そのためにまずヒトAAアミロイドに特異的な抗体を作製することを試みた。ヒトではSAAの76-77位で切断されたN末端側ペプチド(AA76)がアミロイド線維の主成分として沈着している。そこでAA76のq末断端に反応するモノクロナル抗体作製を目的に、当該ペプチドをラットに免疫し目的の抗体を樹立することに成功した。この抗体はBiacoreによる反応系で、intactなSAA、HDL中のSAAには反応しないこと、AAアミロイド線維には反応するが、繊維を変性処理すると反応性を失うことから、線維構造を特異的に認識すると判断した。 現在、この抗体との競合反応を利用した自己抗体測定系を作製'している。この抗体と競合反応を起こすことが条件であるため、多くのサンプルを解析する必要があり、その準備中である。また、この抗体はアミロイド特異的な構造を認識することから、AAアミロイドーシスの診断に応用されることが期待され、生検材料での免疫組織化学を中心に応用の検討をしているところである。組織を対象にした場合、アミロイドに組み込まれていないSAAには反応せず、アミロイド化したものだけを検出しているので、従来の抗体とは異なる染色像が得られている。その意義を検討中である。
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