2010 Fiscal Year Annual Research Report
好乾性真菌がダニ抗原誘発性アトピー性皮膚炎の発症と増悪に及ぼす影響
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21590659
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
定金 香里 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (20322381)
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Keywords | 好乾性真菌 / アトピー性皮膚炎 / NC/Ngaマウス / アスペルギルス |
Research Abstract |
好乾性真菌アスペルギルスがアトピー性皮膚炎発症部位に接触したときの影響についてモデル動物を用いて検討した.NC/Nga系雄マウス(6週齢,オス)をvehicle群,アスペルギルス群,ダニアレルゲン群,ダニアレルゲン+アスペルギルス群の4群に分け,ダニアレルゲンを投与する群には,2~4日毎に14回、アレルゲンを右耳介腹側に皮下投与しアトピー性皮膚炎様症状を誘発した.vehicle群,アスペルギルス群には同様に生理食塩水を皮下投与した.アレルゲン投与8回目以降,耳介背側部に炎症が認められたため,アスペルギルス抽出物5μgを生理食塩水に溶解し,3~4日毎に6回,ダニアレルゲン+アスペルギルス群,アスペルギルス群のマウス耳介背側に塗布した.残りの2群には同様に溶媒を塗布した.いずれの群も皮下投与24時間後の皮膚症状を経時的に観察した.その結果,ダニアレルゲン+アスペルギルス群には,アスペルギルス塗布による症状増悪が認められなかった.また,血清中抗体産生,好酸球やマスト細胞が誘発部位の皮下組織に浸潤する程度,皮膚組織中サイトカイン・ケモカイン産生においてもダニアレルゲン群とダニアレルゲン+アスペルギルス群との間に差異が認められなかった.好湿性真菌アルテルナリア,カンジダで同様の塗布実験を行った先行研究では,真菌塗布を併用した群で症状の増悪や炎症細胞浸潤の亢進等を認めた.これらのことから,好乾性真菌アスペルギルスの経皮曝露は,好湿性真菌よりもアトピー性皮膚炎増悪作用が弱いことが示唆された.
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Research Products
(3 results)