2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト血漿中グランザイム3は炎症反応のマーカーとなるか
Project/Area Number |
21590669
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
稲垣 弘文 Nippon Medical School, 医学部, 講師 (50213111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 幸代 日本医科大学, 医学部, 助教 (40322515)
川田 智之 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00224791)
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Keywords | グランザイム3 / 炎症 / 酵素免疫測定法 / 細胞障害性T細胞 / モノクローナル抗体 / バイオマーカー |
Research Abstract |
1.ヒトグランザイム3に対するサンドウィッチELISAの改良 ELISAに用いるモノクローナル抗体を再度選択し、従来約500pg/mLであった活性型グランザイム3の検出限界を約5pg/mLにすることに成功した。 2.ヒト血漿中グランザイム3の検出 8名の健常人より血漿を採取し、上記ELISAを用いて検出を試みた。数名の血漿には、ヒト抗マウス抗体が存在したため、ブロック剤や、非特異的マウスモノクローナル抗体を添加してその影響を除去した。その結果、健常人血漿中のグランザイム3は、活性型グランザイム3に対するELISAにおいては、検出限界に近いレベルであると推定された。 3.ヒト末梢血リンパ球によるグランザイム3の産生 上記の結果を受け、ヒト末梢血に存在するグランザイム3の性状を明らかにするため、末梢血リンパ球にIL-2を加えて最大7日間培養した。その結果、培養時間に応じて多量の不活性型グランザイム3前駆体(Progranzyme 3)が培養上清中に現れた。この結果は、ヒト末梢血に存在するグランザイム3は、その大半が不活性型前駆体であり、これまでのELISAでは検出が困難である可能性を強く示唆した。 4.グランザイム3不活性前駆体の検出 既に確立したELISAは、活性型グランザイム3に対しては高感度だが、不活性型グランザイム3前駆体に対する反応性は低い。そこで、本研究の目的のためには、不活性型グランザイム3に対する抗体を調製し、高感度ELISA法を確立する必要があると考えられた。平成22年度は、まずこの点から研究を始めたいと考えている。
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Research Products
(2 results)