2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト血漿中グランザイム3は炎症反応のマーカーとなるか
Project/Area Number |
21590669
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
稲垣 弘文 日本医科大学, 医学部, 講師 (50213111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 幸代 日本医科大学, 医学部, 助教 (40322515)
川田 智之 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00224791)
大塚 俊昭 日本医科大学, 医学部, 講師 (80339374)
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Keywords | グランザイム3 / 炎症 / 酵素免疫測定法 / 細胞障害性T細胞 / モノクローナル抗体 / バイオマーカー |
Research Abstract |
1.ヒト不活性型グランザイム3前駆体(Progranzyme 3)に対するサンドウィッチELISAの確立 昨年度に確立したProgranzyme 3に対する新しいモノクローナル抗体(G3HPO1-12)を用いて、Progranzyme 3に対するサンドウィッチELISA系を作製した。さまざまな組合せを用いて試験した結果、G3H61とG3HPO8抗体を用いたELISAが、最も性能が良いことが明らかとなった。G3H61抗体を固相に、ビオチン化G3HPO8抗体を検出抗体に用いたsandwich ELISAは、活性型グランザイム3にはほとんど反応せず、Progranzyme 3に特異的であった。また、検出限界は約20pg/mLであった。 2.ヒト血漿中Progranzyme 3の検出 8名の健常人より採取した血漿について、上記ELISAを用いて検出を試みた。その結果、健常人血漿中のProgranzyme 3は、検出限界に近いレベルであると推測された。しかし、標準物質(精製ヒトProgranzyme 3)を血漿に添加したのち、sandwich ELISAを行っても、想定した回収率が得られない。従って、ELISAを妨害する物質が血漿中に含まれていることは明らかとなった。それが何かを明らかにし、その影響を除去する方法を確立しない限り、血漿中のProgranzyme 3や活性型グランザイム3の測定は極めて困難であると考えられた。 3.ヒト血液細胞におけるグランザイム3の発現とその性質 Progranzyme 3に対するモノクローナル抗体G3HPO8を用いてヒト末梢血の細胞を染色し、フローサイトメトリーで分析したところ、予備実験の結果ではあるが、顆粒球が染色された。また、G3H69を用いても顆粒球が染色され、末梢血中のグランザイム3の起源として、顆粒球を考慮しなければならない可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特異的抗体の作製、ELISA系そのものの確立については、順調に進行している。しかし、血漿(血清)中のグランザイム3の濃度が当初の想定よりも低い、また、血漿中の何らかの成分によるELISAの妨害が想定よりも強い。特に後者により、測定自体が困難になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
血漿中のグランザイム3については、その測定に向けて実験を進めるが、たとえ測定が困難であっても、グランザイム3と炎症反応との関係についての検討を行うという目的は変更しない。血漿中のグランザイム3の代わりに、末梢血中の細胞集団におけるグランザイム3および不活性前駆体の発現の様子や、これらの細胞をin vitroで培養した際のグランザイム3産生能などを指標とし、CRPなどの炎症マーカーとの関係を明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(4 results)