2010 Fiscal Year Annual Research Report
非正規雇用労働者における職場ストレス要因と心身の状態に関する研究
Project/Area Number |
21590672
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
小林 章雄 愛知医科大学, 医学部, 教授 (80135342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 礼子 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (80329812)
渡邊 美寿津 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (30298624)
赤松 康弘 愛知医科大学, 医学部, 助教 (70257658)
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Keywords | 非正規雇用 / 職場ストレス / 精神的健康度 / 身体的健康度 / 生活習慣 |
Research Abstract |
1. 同一の製造業事業場の現場従業員で正社員48名と非正規社員(パート、期間契約、派遣)社員のもの52名について、健康とストレスに関する調査票により、職場ストレス、心身の状況について比較検討した。男性では、正社員の方が仕事の量的・質的負担が有意に高い一方、非正規社員では技能の低活用、上司のサポートが低い傾向が見られた(但し、有意ではない)。一方、女性では、正社員の方が仕事の量的負担が有意に高く、いらいら、疲労感、不安感、身体的愁訴、不安・抑うつが有意に高い傾向を示した。非正規社員では、仕事のコントロール(低い)、技能の活用、上司のサポートが有意に低かった。 2. 同一の販売業に従事する男性正社員34名、女性正社員16名、女性パート45名について、職場ストレス、心身の状況について比較検討した。女性パートでは他の2群に比し、身体的負担が有意に高く、コントロール、技能の活用が有意に低かった。男性正社員に比して上司のサポートが低く、努力報酬比が高かった。女性パートにおける不安・抑うつ症状は他の2群に比して有意に低かった。 3. 上記販売業に従事する対象者の中より、5名について、就労の状況、健康状況について聴き取り調査を行った。おなじパート従業員でも、家庭状況等により就労の動機や生活状況は大きく異なっており、生計を主として支えるために就労しているものでは、複数の職に就いて1日12時間以上の労働を休みなくおこなっており、不調時にも受診できないことや、がん検診等をほとんど受診していないなどの実情が明らかとなった。女性パート等の非正規労働者については、詳細に類型化を行った上で、検討すべきことが明らかとなった。
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