2011 Fiscal Year Annual Research Report
迅速かつ簡便な加工食品中の残留農薬一斉分析法の開発
Project/Area Number |
21590677
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
高取 聡 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (90311480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
起橋 雅浩 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (60250312)
北川 陽子 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 主任研究員 (20280836)
福井 直樹 大阪府立公衆衛生研究所, 衛生化学部, 研究員 (90516717)
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Keywords | 衛生 / 食品 / 分析科学 / 残留農薬 / 食の安全・安心 |
Research Abstract |
我が国では多種多様な加工食品が大量に生産され流通しているが、加工食品中の残留農薬の分析法については、一部の加工食品とベビーフードを対象とした方法しか見当たらない。本研究では、多様な加工食品を水分、脂質、タンパク質、糖分及び塩分等の含有量を考慮して系統的に整理し、その系統に基づいた迅速かつ簡便な加工食品中の残留農薬一斉分析法を構築することとした。また、加工食品は、複数の原料から構成される。このため加工食品から農薬が検出されて食品衛生法上で違反の蓋然性が疑われる場合、原料ごとに基準値との照会が必要となる。加工食品を正しく分析し、その結果を食品衛生法上の基準と照会するためには、原料分別について系統立てた手順を準備する必要がある。そこで、原料ごとに分別可能な模擬加工食品を作成し分別手順を検証することとした。本年度は、以下の項目を実施した。 (1)でんぷんを多く含み抽出溶媒との相溶性に問題が生じ、抽出効率が芳しくない食品(米飯及び麺類)について分析法を検討した。フードプロセッサーで試料を均一化する工程で加水処理をすることによって、試料を粥状にすることにより抽出溶媒との相溶性が改善した。その結果、脂質の含有量に応じて開発した各既存分析法に適用できることが判った。 (2)加工食品の原料分別法の検討 原料分別手順を検証するために特定の原料に農薬を含浸させた模擬加工食品として模擬ポークビーンズを作成した。当該食品を構成する大豆に安定して農薬を含浸させる手法を開発した。模擬ポークビーンズを用いて原材料ごとへの分別手法を検証した。その結果、以下の手順を規定することにより分析精度が向上することを示唆した。(1)規定量の水で加工食品を希釈したのち固形物と流動体物をメッシュにて分別する。(2)固形物を規定量の水で洗浄する。 (3)(1)の流動体分画と(2)の洗浄液を併せて定容して分別試料とする。
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Research Products
(2 results)