2011 Fiscal Year Annual Research Report
地域在住高齢者の抑うつ危険因子とグループワークによる介入効果の縦断的検討
Project/Area Number |
21590689
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
和田 泰三 京都大学, 東南アジア研究所, 研究員 (90378646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松林 公蔵 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70190494)
奥宮 清人 京都大学, 総合地球環境学研究所・研究部, 准教授 (20253346)
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Keywords | 抑うつ / GDS-15 / 危険因子 / 独居 / 孤食 |
Research Abstract |
独居高齢者のみならず同居人のいる状況でも日常的に一人で食事を摂る場合があり、これを「孤食」と呼ぶ。これまでに地域在住高齢者の抑うつ危険因子として、日常生活動作や活動能力の低下、聴覚の低下・食品多様性低下・BMI低下などがあきらかにしてきたが、孤食と抑うつの関連については未知であった。高知県土佐町在住高齢者856名を対象として、総合機能評価問診票のなかでGDS-15による抑うつスクリーニングを行うと同時に、同居・独居・孤食・非孤食を評価し、既知の抑うつ危険因子とともに抑うつとの関連を検討した。その結果、856名中697名の同居高齢者のうち、19.5%のものが孤食群であったが、孤食群は非孤食群に対して有意にGDS-15スコアが高かった。同居かつ共食のものに比べて、同居・孤食群は年齢・性・BMI低下・食の多様性スコアで調整してもなお、GDS-15 10点以上の抑うつに対してオッズ比2.6の有意な危険因子であった。一方で、独居・孤食群は有意な抑うつ危険因子とならなかった。つまり、独居でつねに孤食であることは抑うつと関連しないが、同居人がいるにもかかわらず孤食を余儀なくされていることが抑うつと関連することがあきらかとなった。 ライフ・イン京都においては老研式活動能力指標の「知的能動性」や「社会的役割」に分類されるような知的活動能力やコミュニケーション能力の低下が重要な新規抑うつ危険因子であることがあきらかとなったため、毎週1回運動教室などのグループワークを年間通じて開催した。統計的有意な介入効果はあきらかとはならなかったが、2006年にGDS-15 6点以上の軽度抑うつを示す入居者が40.0%あったものが、定期的な運動教室や回想法などのグループワークを継続した結果、32.5%に低下した。
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Research Products
(7 results)