2011 Fiscal Year Annual Research Report
循環器疾患予防における中心動脈圧の測定意義に関する疫学研究
Project/Area Number |
21590691
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
崔 仁哲 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40375514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯 博康 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50223053)
大平 哲也 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50448031)
北村 明彦 大阪府立健康科学センター, 健康開発部, 部長 (80450922)
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Keywords | 中心動脈圧 / 循環器疾患 / リスクファクター / 疫学研究 |
Research Abstract |
研究目的:地域一般住民を対象として、中心動脈圧・AIと高血圧性末梢臓器障害との関連を明らかにすることを目的とした。 研究実施計画:本研究は大阪府八尾市M地区と秋田県I町において、平成22年度と平成23年度に循環器健診の受診者中40~84歳の男女2,324人(男性974人、女性1,350人)について中心動脈圧・AIを測定した、降圧薬の服薬者を除く男性739人と女性1,023人を対象に高血圧性末梢臓器障害との関連について分析した。中心血圧計(HEM-9000AI、オムロンコーリン社製)を用いて、中心動脈圧・AIを測定した。高血圧性末梢臓器障害の定義は、心電図ST-T異常と眼底異常とした。心電図ST-T異常はミネソタコード4-1~4-5の所見と5-1~5-5の所見を認めた者とし、眼底異常は高血圧性あるいは動脈硬化性変化(Scheie's分類I度以上)とした。解析において、中心動脈圧値・AI値、上腕血圧値を3分位に分け、それぞれの低値群を基準とし、心電図ST-T異常と眼底異常のオッズ比を算出した。年齢、肥満度(BMI)、血清総コレステロール値、HDL-コレステロール値、中性脂肪値、飲酒・喫煙、糖尿病薬の服薬有無と地域を調整した。また、上記の関連を年齢区分別(40~69歳と70~84歳)に検討した。 結果:中心血圧・AI、上腕血圧の低値群に比べ、それぞれの高値群では、心電図ST-T異常と眼底異常の頻度が男女ともに有意に高かった。また、上記の関連は高齢者群において、上腕血圧より中心血圧との関連が強かった。AIと心電図ST-T異常や眼底異常との関連は上腕血圧より弱かった。また、AIと心電図ST-T異常や眼底異常との関連は、高年齢群より中高年群において強かった。 結論:本研究により、地域住民健診における中心動脈圧・AIの測定することにより、循環器疾患のリスクファクターの早期把握に貢献できる可能性を示唆された。
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