2011 Fiscal Year Annual Research Report
感染症危機管理支援のためのGISを活用した発生動向調査情報の先端的提供法の開発
Project/Area Number |
21590693
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井上 仁 鳥取大学, 総合メディア基盤センター, 准教授 (00176439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 伸作 北海道立衛生研究所, 生物科学部, 研究職員 (70414331)
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Keywords | 感染症 / 発生動向調査 / 情報提供システム / 流行予測 / GIS / Web |
Research Abstract |
1.小児感染症流行の地域間格差の検討 小児感染症の定点当たりの報告数を一括表示し、地域別機関別の全国平均に対する特化指数を算出して、それぞれの感染症の地域特性・地域間格差を明らかにした。これらの観測結果は、全国規模から都道府県別に感染症の流行とその動向、地域での偏りなどの特性を明らかにするとともに、都道府県地域・隣接地域での伝播状況の解析の重要な資料となると思われる。 2.GISを活用した発生動向調査情報の可視化還元システムの構築 感染症発生動向調査で収集される情報は国立感染症研究所や各都道府県の感染症情報センターから情報の還元が行われている。アンケート調査によれば、発生動向調査の情報還元に関して更に充実すべき事項として、より分かり易い情報提供法が要望されている。我々は2000年から現在までの47都道府県の週ごとの小児感染症の報告数約30万件をデータベースに保存して、RIA技術を活用してWeb上でGISデータとして表示し感染症流行状況の時間的推移と空間的遷移を可視化するシステムを構築した。 3.流行状況の早期検知と流行予測法の検討 感染症対策には、不断の情報収集に加えて将来の流行予測が重要である。今回小児感染症とインフルエンザを対象として、EPA・傾向分析及び重回帰分析による合成分析、ARIMA FORECASTモデル、類似ベクトルあてはめ法を適用して各流行予測法について検討した。合成分析法では規則正しい毎年の循環変動周期・季節変動周期を有する感染症および地域の場合に、適応可能であると思われる。ARIMA FORECASTモデルでは、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘、手足口病で良好な予測結果が得られた。類似ベクトル法は、咽頭結膜熱、伝染性紅斑、流行性耳下腺炎で適応可能と思われる。
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Research Products
(7 results)