2010 Fiscal Year Annual Research Report
心血管病発症予測因子としての脈波伝播速度:久山町研究
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21590698
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福原 正代 九州大学, 大学院・医学研究院, 特任講師 (90360057)
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Keywords | 脈派伝播速度 / 脳卒中 / 虚血性心疾患 / 閉塞性動脈硬化症 / コホート研究 / 久山町研究 |
Research Abstract |
1.2002年健診受診者を対象に、心血管病(脳卒中、虚血性心疾患)の発症、死亡を追跡した。予後調査は以下の方法でおこなった。予後調査の際には、医師が本人または家族に説明し、同意文書に署名を頂いて調査の同意を得た。 (1)対象者を健診し、循環器疾患の罹患が疑われる者を抽出した。 (2)健診未受診者全員にアンケートを送り、循環器疾患の罹患の有無を調査した。 (3)久山町研究の追跡ネットワークを用いて、循環器疾患の罹患をモニターした。 (4)循環器疾患の罹患が疑われる者については、往診し、病歴・診察所見・検査所見など臨床情報を収集した。 (5)死亡例については、臨床情報を収集し、病理解剖の承諾を得るように努めた。 (6)解剖承諾例については、九州大学大学院病理学教室で解剖し、死因および臓器病変を調査した。 (7)定期的に研究スタッフの会議を開き、循環器疾患罹患および死因の最終診断を討議し決定した。 2.追跡調査の一環として、平成22年に生活習慣病予防健診を行った。健診項目は以下の項目である。 問診、身体計測(身長、体重、体脂肪)、血圧測定、医師による診察、検尿、血計、血液生化学、Hb_<Alc>、心電図、胸写、眼底、食事調査。 3.2002年の断面調査での脈波伝播速度(PWV)と心血管病危険因子との関係を解析した。40歳以上の受診者3,328人のうち、PWVの解析が可能な3,048人について解析した。平均年齢は61歳、平均PWVは1656cm/秒であった。高血圧と糖尿病の有無で4群分類した。正常血圧・非糖尿病群、正常血圧・糖尿病群、高血圧・非糖尿病群、高血圧・糖尿病合併群の性年齢調整後のPWVの平均は、それぞれ1498cm/秒、1595、1825、1923であった。正常血圧・非糖尿病群に比較して、正常血圧・糖尿病群、高血圧・非糖尿病群では、PWVが有意に上昇したが、高血圧・糖尿病合併群ではさらにPWVが上昇した。高血圧と糖尿病を合併すると動脈硬化がより強くなることが示唆された。
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Research Products
(11 results)