2009 Fiscal Year Annual Research Report
長期的葉酸摂取の把握を通じたダウン症候群リスク低減に向けた分子疫学研究
Project/Area Number |
21590699
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
高村 昇 Nagasaki University, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30295068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増崎 英明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00173740)
和田 光弘 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (40295093)
大石 和代 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (00194069)
林田 直美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (00420638)
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Keywords | 母子保健 / ダウン症候群 / 葉酸 |
Research Abstract |
本研究は、母子保健における大きな課題の一つである先天性異常、その中でも頻度の高いダウン症候群の発症における葉酸およびその代謝関連因子の関与について、特に葉酸の長期摂取状況を反映する赤血球葉酸濃度に着目して解析を行い、ダウン症候群発症のリスク低減に向けたエビデンスの確立を目指すものである。本年度は、長崎大学医学部・歯学部附属病院及びその関連施設でフォローアップされているダウン症候群患者の母親(DS群)150例を対象にした臨床疫学研究を行うための研究基盤を形成するとともに、長崎県下の健康診断等を通じた対照群のサンプリングを行った。得られたサンプルは血清、血漿及び血球に分離し、保存の上今後の解析に備えている。また、各世代における遺伝子多型とホモシステインの関連をみるために、新生児、母親、さらに祖母の三世代におけるサンプリングを計画しており、研究分担者と協議を行っているところである。 今後は、DS群150例を対象に、研究趣旨説明を十分に行い、インフォームドコンセントを得たのちに採血を行って、血清、血漿、血球を得たうえで、さらに、DS群の染色体DNAを用いてCGH(Comparative Genomic Hybridization)法による染色体上におけるダウン症候群発症関連領域の網羅的な解析を行う(林田、大学院生1名)。統計学的解析によって赤血球中葉酸濃度をはじめとするそれぞれのダウン症候群発症リスク要因についてのOdds比を算出し、リスクファクターの重み付けを行う(高村)。以上の結果を元にして、血球中葉酸濃度やMTHFR遺伝子多型がDown症候群発症のリスクファクターになることが確認されれば、エビデンスに基づいたダウン症候群の予防にむけたガイドブックを策定する。さらに長崎県下において地方自治体とも連携して母親学級等を通じた葉酸摂取の重要性について普及、啓蒙活動に供すると同時に、妊娠女性における赤血球中葉酸スクリーニングの実施に向けた準備を開始する。
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Research Products
(12 results)