2010 Fiscal Year Annual Research Report
チェルノブイリ周辺住民の放射線リスク認知に及ぼす要因
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21590703
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
柴田 義貞 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40010954)
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Keywords | チェルノブイリ / 放射線 / リスク認知 |
Research Abstract |
平成21、22年度の調査データを併合して解析した。質問紙への回答率は、高校生・大学生では2,394人(90%)と高く、Donetsk州(77.0%)以外では調査地域間の差は小さかったが(84%~100%)、その親では1,509人(57%)と低く、調査地域間の差が大きかった(21%~77%)。リスク認知放射線事故、屋内ラドンを含む11個の要因それぞれについて、自身や家族の健康にとって危険と感じる程度について(イ)危なくない、(ロ)僅かに危ない、(ハ)かなり危ない、(ニ)大いに危ない、(ホ)極めて危ない、の5段階で評価させ、(ハ)~(ホ)と評価した者を「リスク認知有り」として、その頻度を居住地別あるいは男女間で比較した。放射線事故および屋内ラドンについては、Odesa州、Slavutych市、Kiev州の高校生・大学生は他地域の高校生・大学生に比べて危険と感じる者の割合がそれぞれ5ポイント、10ポイントほど低かった。チェルノブイリ事故の健康影響チェルノブイリ事故の自身や家族の健康に対する影響について(イ)全く影響しなかった、(ロ)僅かに影響した、(ハ)かなり影響した、(ニ)大いに影響した、(ホ)極めて大きく影響した、の5段階で評価させ、(ハ)~(ホ)と評価した者を「影響有り」として、高校生・大学生におけるその頻度を性別および居住地別に算出した。男では48.1%(=471/980)が影響有りと回答したが、女では662%(=923/1395)が影響有りと回答しており、男女差は有意であった(p<0.0001,Fisherの正確検定)。また居住地別の比較では、Slavutych市、Odesa州、Donetsk州で影響有りと回答した者の割合はそれぞれ45.4%(148/326)、50.2%(142/283)、42.4%(106/250)と、他の4州における割合(Zhytomyr州-63.8%、Rivne州-67.3%、Kirovograd州-74.2%、Kiev州-58.9%)に比べ有意に低かった(p<0.0001、カイ2乗検定)。
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Research Products
(1 results)