2009 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害児童の両親および学校教職員の精神的ストレス軽減のための介入的アプローチ
Project/Area Number |
21590709
|
Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
吉益 光一 Wakayama Medical University, 医学部, 准教授 (40382337)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50124889)
福元 仁 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (30511555)
竹村 重輝 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70511559)
|
Keywords | 発逹障害 / 育児ストレス / 精神疾患 / 特別支援教育 |
Research Abstract |
まず平成21年度の計画の中で変更を余儀なくされた事項について述べる。当初和歌山県発達障害者支援センターが設置されている病院の精神科外来に通院中の児童の両親約200名を対象に、自己記入式の問診票を用いた抑うつ状態ならびに不安に関する調査を実施する予定であったが、当該施設の医師より、研究代表者の米国留学後に、対象者の精神的ケアが不十分となる可能性を不安視する意見が出た。実際に他の小規模な集団に対して調査を実施したが、その結果を各対象者に通知する過程で、各人に対して極めてきめ細かい配慮が必要となることが判明した。このため研究代表者が不在となる当該年度に大規模な調査を行うことは不可能であると判断し、より小規模な集団である「和歌山県ADHD親の会」に所属する高校生までの発達障害児を持つ両親、および大阪府南部の特別支援学校において発達障害児童の療育に関わる教員に限定して上記調査を実施することとした。 親の会に所属している会員の父母10組20名、および特別支援学校教員55名に自己記入式の心理テストを配布、親の会からは9組17名(1組は母親のみ)、教員からは18名(男性6名、女性12名)より回答を得た。心理テストの平均点の結果から両親においては、抑うつは健常レベルと境界領域にあるものの、不安度は状態不安、特性不安共に高いレベルにあり、特に母親においてその傾向が強いことが判明した。教員においても男性、女性間で同様の傾向が認められたが、抑うつ、不安度ともに両親より低い傾向が認められた。 一方、連携研究者の大賀は、発達障害の両親に適したマインドフルネス・ストレス低減法のプログラムを開発するため、本法を日常生活における食事や歩行に応用した一般成人向けのトレーニング法を検討し、加えてマインドフルネスの状態を5つの側面から測定する質問紙調査(FFMQ)の日本語版の翻訳と大学生を対象としたスケールの信頼性、妥当性の確認を行った。
|