2009 Fiscal Year Annual Research Report
サプリメントの胎児に与える影響とそれを予測する方法の確立
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21590710
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
永井 総子 Keio University, 薬学部, 講師 (80118877)
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Keywords | サプリメント / 胎児 / 薬物代謝酵素 |
Research Abstract |
サプリメントは一般に規制がなく簡単に入手できるが、多くの薬物代謝酵素の発現等を変動させる成分を含むものも多い。本研究は、サプリメント成分について胎児に与える影響を、薬物代謝酵素や関連因子およびトランスポーター等について検討し、身近な成分の胎児に与える影響を予測する方法の確立を目的とするものである。 花粉症を緩和するサプリメント成分であるQuercetinについて検討した。妊娠後期ラットにQuercetinを1日1回、3日間投与し、24時間後に親ラット肝、胎児肝、胎盤を摘出した。さらにQuercetinの基剤で同様に行い、コントロールとした。Quercetinの投与量は文献を参考にしてはじめ80mg/kgと設定して行い、薬物代謝酵素CYP3A1等について検討した。親ラットの肝臓からミクロゾーム分画を抽出しCYP3A1についてウェスタンブロット分析を行ったところ、コントロールに比べ酵素蛋自発現量は減少した。さらにtotal RNAを抽出しCYP3A1のreal time PCRを行うと、CYP3A1のmRNAの発現も減少していた。同様に胎児肝や胎盤について検討したところ、酵素蛋白については非常に発現量が少なく判断が難しかったが、mRNAについては、発現量は少ないながらも胎児肝では減少、胎盤では僅かに増加していた。しかし80mg/kg投与群は約半数が投与後48時間内に死亡したため、投与量を40mg/kgに減量し、妊娠17日齢ラットに3日間投与し、24時間後20日齢で臓器を摘出することにした。40mg/kg投与群では投与開始後の親ラットの体重増加量はコントロールの60%であり、摘出胎児の体重は相対的に少なくコントロールの86%であった。 Quercetinの毒性は妊娠すると増強し、CYP3A1の発現に胎児も影響されることが示唆された。現在40mg/kg投与群の摘出臓器について検討中である。さらにHPLCによる肝ミクロゾーム分画の酵素活性測定条件を検討した。
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