2010 Fiscal Year Annual Research Report
サプリメントの胎児に与える影響とそれを予測する方法の確立
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21590710
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
永井 総子 慶應義塾大学, 薬学部, 講師 (80118877)
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Keywords | サプリメント / 薬物代謝酵素 / 胎児肝 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、妊娠後期ラットにサプリメントのクエルセチンを投与後、親ラット肝、胎児肝および胎盤を摘出して各臓器に発現している薬物代謝酵素の発現変動について、再現性を確認した。胎児摘出時の体重はコントロールに比べてクエルセチン投与群では有意に減少しクエルセチンが胎児の発育に影響していることから、胎盤に発現しているトランスポーターについて検討している。摘出臓器に発現している酵素蛋白レベルで検討すると、発現量が少なくコントロールとの比較が困難な分子種もあったが、胎盤に発現しているグルタチオンS転移酵素のGSTPには顕著な相違が見られ、比較検討する際の指標になることがわかった。ラットの肝臓にはGSTのAlphaやMuが多く発現しているので、これらの分子種についても検討したが顕著な相違は観察されなかった。他の代謝酵素cytochrome P450(CYP3A1)については親ラット肝では変動を確認しているが、胎児肝ではまだ発現している酵素蛋白が非常に少ないので、遺伝子レベルで検討中である。 また親ラットの肝臓に発現しているCYP3A1の活性を測定するため、HPLCの測定条件を検討した。 動物実験を行うことが困難になりつつある今日、培養細胞を用いて特にヒトを対象に予測する方法を検討した。実験動物による投与実験から胎児に与える影響を検討するために、胎盤に発現する酵素蛋白および遺伝子発現の変動に着目した。入手の比較的容易なBewo細胞で予測することができないか検討中である。
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