2010 Fiscal Year Annual Research Report
医療コミュニケーションにおける医師のジェンダーに関する研究
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21590714
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
野呂 幾久子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (10242752)
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Keywords | コミュニケーション / ジェンダー / RIAS / 患者満足度 |
Research Abstract |
2年目にあたる2010年度は、日本の内科・総合診療科初診外来診療場面を対象に、1)医師、患者のコミュニケーションと医師および患者のジェンダーとの関係、2)医師、患者のコミュニケーションと患者満足度との関係に医師および患者のジェンダーが与える影響、の2点について検討するため、調査・分析を行った。 調査は、東京都内の3か所の医療機関にて行った。対象者は研究協力への同意が得られた医師11名(男性6名、女性5名)、およびその初診外来患者103名(男性53名、女性50名)であった。 方法だが、診療中の医師、患者のコミュニケーションをICレコーダーで録音させてもらい、患者には診療終了後に患者満足度調査(日本語版Medical Interview Satisfaction Scale(MISS))に回答してもらった。録音したコミュニケーションはThe Roter Method of Interaction Process Analysis System(RIAS)を用いて解析した。 その結果、以下の点が見られた。 1) 医師、患者ジェンダーと各々のコミュニケーション行動との関係:女性医師より男性医師に「指示・方向付けの発話」が多く見られた他は、有意な差は見られなかった。 2) 相手ジェンダーとの関係:相手が女性の場合、医師、患者ともに「感情表出の発話」が多かった。また患者の場合、男性医師の診察より女性医師の診察の方が、「社交的会話」「肯定的発話」「総発話数」が多かった。 3) 女性同士のペア:医師、患者ともに「感情表出の発話」が多かった。また、医師は「指示・方向付けの発話」が少なく、患者は「生活・心理面の情報提供」が多かった。 4) 患者満足度:女性同士のペアにおいて満足度が有意に高いという結果は見られなかった。
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Research Products
(4 results)