2011 Fiscal Year Annual Research Report
超長寿者に関する日常生活動作と既往歴の関連性について―ハワイ・全米・沖縄の比較―
Project/Area Number |
21590724
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Research Institution | Okinawa International University |
Principal Investigator |
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Keywords | 健康長寿 / 日常生活動作 / 既往歴 / 国際比較 / 自立度 |
Research Abstract |
本研究は百寿者において日常生活動作(以下ADL)と既往歴の関連について探った。百寿者の既往歴、現病歴とそれらの罹患年齢、ADLを3つの地域(沖縄、ハワイ、米国本土)において、同一の定義と調査手法を用い、NECSが開発した生存者(survivors),遅延者(delayers),回避者(escapers)の分類を利用して、HHPとOCSを分類して比較した。現病歴と既往歴、ADLにおける自立度についてもHHPとOCSのコホートで調査を行いNECSと比較した。平成23年度の研究費では、以下の成果を得た。1)加齢に伴う疾患に罹患しながら生き延びている百寿者の生存者(survivors)は遅延者(delayers)と回避者(escapers)より少かなったが、予測したよりも多かった。OCSのコホートにてNECSとHHPに比べると遅延者(delayers)と回避者(escapers)が多かった。2)NECSとOCSのコホートにて、男性よりも女性の方が生存者(survivors)が多かった。3)NECSとOCSのコホートにて、百寿者の人口割合として女性は8~9割、男性は1~2割程度と男性の対象者(生き残り)は少ないが、男性は女性に比べ加齢に伴う疾患は少なぐADLレベルは女性のそれよりも高かった。4)百寿者は心疾患、高血圧、認知の低下が多かったが、心疾患、高血圧を罹患している生存者(survivors)のADLは遅延者(delayer)と回避者(escapers)と変化はみられなかった。最終的な詳細分析と報告書は作成中であるが、結論として、高齢者全体としては慢性疾患の罹患率が高まっているものの、必ずしもそれらによって身体機能低下を伴うとは限らない。疾患と身体機能低下の概念を同じものとみなすと、疾病の種類によって、死亡率や身体機能低下・不全として現れる影響も異なるという事実を見逃してしまう。関連するこれらめ概念を区別するとともに、身体機能不全の背景にある要因を明確にすることが重要である。
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Research Products
(11 results)