2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規2色蛍光高感度検出法の開発とE型肝炎ウイルスの社会における循環様式の解明
Project/Area Number |
21590725
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Research Institution | Hokkaido Institute of Public Health |
Principal Investigator |
石田 勢津子 Hokkaido Institute of Public Health, 感染症センター微生物部, 腸管系ウイルス科長 (70414315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉澄 志磨 北海道立衛生研究所, 感染症センター微生物部, 研究職員 (90414317)
三好 正浩 北海道立衛生研究所, 感染症センター微生物部, 研究職員 (50414321)
工藤 伸一 北海道立衛生研究所, 感染症センター微生物部, 部長 (00414318)
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Keywords | E型肝炎ウイルス / ウイルス検出 / 感染症 |
Research Abstract |
本研究は、国内でも特にE型肝炎患者の発生報告が多いとされる北海道において、新規の高感度検出法を確立し、ウイルスの保有状況・動態調査を行うこと、さらにその結果から本疾患の原因ウイルスの循環様式を明らかにし、予防対策に関わる情報を蓄積することを目的とする。 現在報告されている検出法ではウイルス検出が可能な期間は短く、患者においても発症から2週間前後とされている。また、食中毒が疑われる場合、食品や、調理場などの環境中のウイルス量はごく微量であるため、感染源、感染経路の解明が困難であり、高感度の検出法が求められている。 平成21年度は、微量のE型肝炎ウイルスを高感度に検出・型別する方法の検討と、対象検体の収集・調製などの準備を行った。 1.遺伝子配列データベースからE型肝炎ウイルスの4つの遺伝子型(G1~G4)の遺伝子配列を複数株抽出して比較することにより、高度に配列の保存された領域に、検出、型別用のプライマーとTaqManMGBプローブを設計した。リアルタイムPCRシステムによる検出方法について、プライマー濃度、プローブ濃度、サイクル数、反応温度などの最適条件を検討し、G3,G4遺伝子型陽性検体を用いて型別を確認した。 2.E型肝炎は人獣共通感染症であり、加熱不十分な感染動物(ブタ、イノシシ、シカなど)の肉や内臓の喫食による食中毒が疑われる。本研究においては、E型肝炎患者由来検体や感染源と目される食品、環境などの検体を収集している。患者由来検体について既に報告されている2検出法を比較したところ、検出率の高い1方法は判定も容易でスクリーニングに適していたが、型別のための遺伝子配列情報を別に得る必要があった。 平成22年度は新規高感度検出法の確立と収集した検体を用いた実用性の検討を行う。
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