2011 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険サービスを利用する要介護高齢者の医療ニーズと医療資源の消費状況
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21590727
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Research Institution | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
Principal Investigator |
石崎 達郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (30246045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 龍太郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 副所長 (20150881)
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Keywords | 介護保険制度 / 介護老人保健施設 / サービス利用 / 要介護高齢者 / 医療費 |
Research Abstract |
(研究1)老人保健施設利用者が入所中に提供された医療サービスを把握するために、入所記録から医療提供に関する情報を収集し、入所中に提供された内服薬の種類や薬剤費を集計した。解析対象者(N=110)のうち、昨年度に解析ができなかった58名を対象に分析した。観察期間に延べ990万件・日の処方が確認された。入所者一人一日あたりの総薬剤費(薬価ベースで計算)は、中央値446円(平均値840円、標準偏差968円、最小値6円、最大値3801円)であった。骨粗鬆症薬やステロイド軟膏は、一回の処方あたりの薬剤費は高額であったが、軟膏については一日あたりの使用量が日によって異なるため、一日あたり薬剤費を推計する場合は注意が必要であった。 (研究2)一自治体から提供を受けた介護保険レセプトデータを用い、特別養護老人ホームまたは老人保健施設等の介護保険施設入所経験者を同定し、死亡前1年間の医療費総額を、国民健康保険レセプトデータを用いて把握した。調査対象となった自治体において、2004年から2007年の間に死亡した65歳以上の高齢者(868名)のうち、介護保険施設入所経験者は111名であった(女性70%、平均年齢87.8(標準偏差7.1)歳)。111名の死亡前1年間の医療費総額は中央値66万7369円で、死亡場所(医療機関または介護保険施設)によってこの値は大きく異なっていた(医療機関[89名]、医療費中央値92万8730円;介護保険施設[22名]、同27万9317円)。この差が生じた原因として、分析対象者の病状等の違いに由来する部分が大きいと考えられるが、介護保険施設であるため、医療保険で償還されない医療サービスも含まれている可能性が推測される。 介護保険サービス利用者の医療ニーズと資源消費は、保健衛生統計からでは把握されないため、統合データベースを構築し、医療と介護のサービス利用が一元的に把握可能なシステムの構築が必要である。
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Research Products
(1 results)