2009 Fiscal Year Annual Research Report
心臓突然死の発症率とそのリスクファクターに関する疫学研究
Project/Area Number |
21590731
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今野 弘規 Osaka University, 医学系研究科, 助教 (90450923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大平 哲也 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50448031)
北村 明彦 大阪府立健康科学センター, 健康開発部, 部長 (80450922)
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Keywords | 心臓突然死 / 発症率 / 地域住民 / 日本人 / コホート研究 / Nested case-control研究 / 疫学 / 前向き研究 |
Research Abstract |
・わが国地域集団における1981~2005年の心臓突然死の発症率の推移についての研究 対象と方法:対象集団は、(1)秋田県I町、(2)茨城県K町、(3)大阪府Y市M地区、(4)高知県N町の4地域の住民である。心臓突然死の定義は、発症から24時間以内の死亡(脳血管疾患、悪性腫瘍、事故など、心臓死以外の死亡原因が考えられるものを除外)とした。調査期間1981~2005年の25年間における心臓突然死の発症率を、年度別、性別に10万人年あたりで算出した。 結果と意義:1981~2005年までの心臓突然死発症者数は469名であった。心臓突然死の発症率は、1981~85年から1991~1995年にかけて継続的に減少する傾向がみられたが、1995~2005年にはやや上昇に転じた。また、男性の方が女性より発症率は高く、年齢が高くなるにつれて発症率は高かった。以上より、今後わが国の心臓突然死の発症数・率はともに増加する可能性があり、予防対策の重要性が示唆された。 ・Nested Case-Control Studyを用いた心臓突然死発症のリスクファクターの検討についての研究 対象と方法:1981~2005年までの心臓突然死発症者469名において、これまでに各地域で実施した循環器健診を受診した症例(case、n=239)と、地域・性・循環器健診受診年・健診受診時年齢を1対3でマッチさせた対照(control、n=717)を分析対象とし、健診項目別および多変量解析により心臓突然死発症要因のオッズ比を算出し、心臓突然死の発症要因を検討した。 結果と意義:高血圧、糖尿病、喫煙、心房細動、心電図ST-T異常、Wide QRS、心拍数の上昇は、それぞれ1.5~3.3倍の心臓突然死発症リスクの上昇と関連した。集団寄与危険度割合(PAF)は、高血圧が22.6%で最も高かった。また、喫煙、心電図ST-T異常、糖尿病のPAFは、それぞれ15.0%、14.7%、8.5%であった。肥満、脂質代謝異常については関連がみられなかった。本研究は、わが国の心臓突然死の危険因子を初めて前向き研究で検討し、心臓突然死の予防には高血圧管理が最も重要であることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)