2010 Fiscal Year Annual Research Report
Shaken Baby Syndromeにおける脳損傷生成機序の実験的解明
Project/Area Number |
21590739
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
藤原 敏 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (20173487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 明儒 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60283561)
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Keywords | Shaken baby syndrome / 外傷性脳損傷 / ゼラチンモデル / ひずみゲージ / 光学的応力解析法 / シミュレーションモデル / 有限要素法 |
Research Abstract |
Shaken baby syndromeにおける脳損傷を生じる外力の解明のための実験を行った。 Holbournの脳モデルを参考に、側脳室を追加したゼラチン脳モデルを作製し、外力負荷装置により中心角60°、2-3cycles/secの矢状方向の回転往復運動を与えた。往復運動の線形加速度、角速度、角加速度は、0.34G、4.6rad/sec、48.2rad/sec^2であった。ゼラチン内に設置したひずみゲージによる測定値のピーク値は、前頭頭頂葉、後頭頭頂葉において大きな値であった。また、ゼラチン内全体の応力変化を光学的応力解析法により観察したところ、大脳前頭葉から頭頂葉にかけての脳梁上部傍矢状領域、脳梁、側脳室前部と後部の脳実質内に大きな応力変化が観察された。 ゼラチン脳モデルを模した頭蓋、頭蓋底、側脳室、脳実質などからなる要素数12133、接点数15065の矢状断面二次元有限要素シミュレーションモデルを作製した。物性値として、ヒトの脳実質、頭蓋骨、脳脊髄液について、報告されている値を使用した。入力荷重として、ゼラチン実験で得られた角速度を使用した。シミュレーション実験で得られた角加速度と矢状方向の線形加速度は、ゼラチン脳モデルを用いた実験と同様の結果であり、シミュレーションモデルの妥当性が示された。また、側脳室の前部と後部の脳実質内で応力、ひずみが高値を示した。 さらに、報告されている剖検症例に合わせた乳児人形揺さぶり実験を行った。人形胴体は直線往復運動、人形頭頸部は頸部下部を中心とした回転往復運動を示した。人形胴体の往復運動が反転したのちに頭頸部が往復運動を開始し、胴体が往復運動の中間にあるときに頭頸部が最大屈曲位または伸展位となり、胴体と頭頸部の往復運動には、ずれが生じていた。また、三次元のシミュレーションモデルを作製し、揺さぶり実験で得られた角速度を入力としたシミュレーション実験を行い、揺さぶり実験を再現することができた。
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Research Products
(8 results)